- 大乗仏教では四方四維(しほうしゆい)(東西南北および東南・東北・西南・西北)と上下の十方に無数の仏があると考え、それに合わせて浄土も無数にあるとされるため、十方浄土(じっぽうじょうど)と呼ばれる。
- この世を遠く離れた所にあると考えられるため「他方浄土」ともいう。
- これに対し、この世のことを煩悩でけがれた地として「穢土(えど)」と呼ぶ。
- 中国や日本で特に信仰されるのは阿弥陀仏の西方極楽浄土(さいほう・・・)。
- 一方、この世にも釈迦が仏として出現したのであるから、釈迦の浄土はこの世になければならないとして、「娑婆(しゃば)即浄土」の思想が生まれた。
- この系列の浄土には釈迦仏の霊山(りょうぜん)浄土、大日如来の密厳(みつごん)浄土、毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)の蓮華蔵(れんげぞう)世界がある。
- 本来、浄土は仏の国土だったが、菩薩のすむ所も浄土と呼ぶようになった。
- 菩薩の浄土としては、弥勒菩薩の兜率天(とそつてん)や観音の補陀落山(ふだらくさん)、文殊菩薩の離塵垢心(りじんくしん)浄土などが有名。
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