ワイン |
Wine |
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- 大別
- テーブル・ワイン
- スティル・ワイン(非発泡性ワイン)あるいはナチュラル・ワインとも呼ばれ、おもに食事中に飲まれる。
- 色による分類
- 赤ワイン
- 黒みがかったブドウからつくられ、風味と色のつけ方によっても違うが、2日から3週間、果皮を発酵液に入れたままにしておく。
- 白ワイン
- 黄色や緑色のブドウ、あるいは黒みがかったブドウを原料とする。
- 黒みのブドウの場合、発酵液にブドウの果皮は入れない。
- ロゼ・ワイン
- 黒みがかったブドウから醸造され、薄いピンクに色づくまで発酵液に果皮を入れておく。
- 味による分類
- 発泡性ワイン
- シャンパンのように栓を抜くと発泡するのが特徴で、祝い事の席で飲まれる。
- デザート・ワイン
- 強化ワインやシェリー、ベルモットのように一般に食前あるいは食後に飲まれ、料理に使われることも多い。
- 強化ワイン
- アルコールや糖分が加えられており、よりアルコール分の高い酒、多くはグレープ・ブランデーを添加することで発酵を抑える。
- 生産地によっても分類
- ワイン大国フランスの名産地
- ボルドー、ブルゴーニュ、コート・デ・ローヌ、ロワール川流域、シャンパーニュ、アルザス
- ボルドー
- とくに重要な地域で、ボルドー地方はさらに36地区に分割される。
- 有名なのがメドック、グラーブ、サンテミリヨン。
- さらに村(コミューン)に分けられ(たとえばメドック地区のマルゴーというように)、シャトー・ラフィット・ロトシルドのように世界じゅうに名を知られた個人所有のブドウ園がある。
- ボルドー地方のワインの格付けは、1855年(日本-幕末)仲買人組合によって定められたものに由来。
- この格付けではシャトーで瓶詰めされたワインが、さまざまな客観的、主観的な基準をもとに5段階の規格で評価された。
- この評価システム「クリュ・クラッセ」は、疑問視するむきもあるが、基本的には信頼にたるものとされている。
- 他のヨーロッパ諸国
- フランス(アルザスをのぞく)ほど細かく等級を分けている国はないが、ヨーロッパのほとんどのワイン生産国で、同じようなワインの類別が行われれている。
- ヨーロッパ以外
- 包括的に分類されることが多く、類似していると思われるヨーロッパの有名なワイン生産地区や銘柄にちなんで命名される。
- たとえばニューヨーク・ステート・シャンパンやチリ・ソーテルヌなど。
- また、シャルドネあるいはカベルネ・ソービニヨンなどといった名前はワインの原料となったブドウの品種名に由来しており、多くの国でこのような分類法がとられている。
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- 一般的な醸造の工程
- 醸造場で収穫したブドウから果梗(かこう)(ひとつひとつの実についている茎)をとり、軽く圧力をかけて果汁をしぼり、それを発酵用の大桶あるいはタンクに移し、数日から数週間そのまま放置しておく。
- かつては、発酵はブドウの皮に含まれている酵母菌の作用に頼っていたが、現在は専用に培養した酵母菌株を天然の酵母菌の代わりに使用することが多い。
- 果汁(糖と水分の混合液)は、発酵によってアルコールと水に分解され、副生成物として炭酸ガスが発生する。
- 赤ワインの場合、ブドウの皮からタンニンと色素が引き出される。
- 甘口ワイン以外は果汁に含まれる糖分がすべてアルコールに変化するまで発酵が続く。
- 赤ワインにはかなりのタンニンが含まれる。
- 色づく過程で、皮からタンニンもいっしょに浸出してくるため。
- 口当たりのよい渋みは、赤ワインと白ワインのおもな風味の違いになっている。
- 発酵期間が極めて短い場合など例外をのぞき、熟成していない赤ワインはタンニンの量が多すぎるが、瓶の中で熟成させることによって、タンニンの大部分は化学的に中和され、いくつかの着色物質と結合して無害の沈殿物になる。
- この沈殿物はワインを別の容器に静かに注げば、取り除くことができる。
- 赤ワインの辛口の度合いはタンニンの含有量で決まる。
- ブドウの成育のよくない年、つまり完熟していないときは、発酵の段階で果汁に糖分をくわえることも多い。
- 熟していないブドウからはじゅうぶんな濃度のアルコールが発酵せず、品質が不安定になるからである。
- 瓶詰めの前のいくつかの段階で、すべてのワインを「精製」、つまり濾過(ろか)して不純物をとりのぞく処理をする。
- 多くのワインは瓶詰めの直前にさらに処理がほどこされ、残った不純物がとりのぞかれる。
- 低価格の製品の場合は、短時間加熱する方法(瞬間低温殺菌)がとられる。
- これによってワインが瓶詰めされたあとで熟成が進まないようにする。
- より高級なワインでは、きわめて精緻な濾過が行われ、瓶に詰められてからもワインは熟成を続ける。
- 大桶で進む自然発酵に加えて、細菌による発酵が必要なワインもある。
- この発酵は瓶の中でおこり、リンゴ酸が乳酸と炭酸ガスに変化し、それによってワインの酸味が減り、微妙な発泡性が加わる。
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- 歴史
- 最初期のブドウ園は、紀元前6000〜4000年(日本-縄文時代中期)のカフカス(コーカサス)地方(ロシア西端付近)に遡(さかのぼ)ると思われる。
- ワインが食事とともに飲用されるようになったことを示す最古の記録は、紀元前5世紀(日本-縄文時代末期)、ギリシャの歴史家ヘロドトスの記述にみられる。
- 古代ギリシャ人はブドウ栽培あるいはブドウ畑の開墾を営利目的で進め、ワインの輸出もしていた。
- それらのワインは濃厚で、粘りがあり、飲む前に水でかなり薄めなければならなかった。
- 古代ローマ人もワインを愛した。
- 1世紀後半(日本-弥生時代後期)、ブドウ園がひろく耕作されるようになって穀物生産が減少し、ついにドミティアヌス帝は領土のブドウ園の半分をほかの作物に転換するよう命令を出さざるをえなくなった。
- 中世初期、ヨーロッパではワインの生産量と品質がしだいに低下していった。
- おもなワイン生産地区が再び活力を取り戻すのは、12世紀(日本-平安時代後期)以降のことである。
- 北アメリカでワインが知られるようになったのは、比較的あとになってから。
- 現在では、ヨーロッパ人が習慣として地元産のワインを愛飲するのにくらべて、アメリカ人はあまり銘柄にこだわらない。
- カリフォルニアの各地でフランシスコ会の修道院が大規模なブドウ園を運営するようになったのは、ほんの200年前(日本-江戸時代後期)のことである。
- それでも今日では、カリフォルニア・ワインが良質のヨーロッパ産ワインと肩をならべるまでになっている。
- 19世紀(日本-江戸後期〜明治時代)、カリフォルニアのブドウ園からもたらされた有害な副産物によりヨーロッパ・ワインが全滅の危機にさらされた。
- ブドウネアブラムシがカリフォルニアの台木に付着したままヨーロッパに運ばれ、これが伝染病を引き起し、フランスだけで100万haのブドウ園が壊滅寸前になった。
- ブドウネアブラムシに耐性をもつアメリカ東部原産の台木にヨーロッパのワイン用ブドウの木、バイタス・バインフェラを接ぎ木し、完全に植えかえることで状況は改善された。
- 日本には16世紀(室町〜安土桃山時代)に南蛮貿易によってもたらされているが、本格的に国産ワインの醸造が試みられるようになるのは明治期に入ってから。
- その後、山梨県勝沼地方(甲州市)を中心に様々な改良を経て、1960年代後半(昭和40-)以降、食生活の洋風化とあいまって飛躍的に生産・消費量が増えている。
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関連 |
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関連HP |
日本ワイナリー協会 |
ワイン (All About) |
■山梨ワイン王国(山梨県甲府市)
2015/3/22 |
■ワインの搾りかすを食べさせた甲州ワインビーフを使ったシチュー(山梨県)
2009 |
■「ヴァン・ド・ソレイユ(太陽のワイン)」・・・山辺ワイナリー(長野県松本市)
2008/1/11 |
■ボッパルトの雫(東京都青梅市)
2007/12/10 |
■塩尻駅(長野県塩尻市)
2007/8/5 |
■ワイン醸造などの展示がある山梨県笛吹川フルーツ公園 >>拡大
2006/2/2 |
■ぶどうの國文化館(山梨県甲州市)
2006/1/17 |
*2011.10.09 |
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