- 中国の東海岸に面し、長江(揚子江)河口の南岸に位置する直轄市。
- 面積:
- 6341km2(周囲約319km)
- 国内32の一級行政区(省、直轄市、自治区)の中では面積が最小で、人口密度はもっとも高い。
- 市内には18の区と1つの県がある。
- 気候:
- 温暖湿潤で四季がはっきりしている。
- 6〜9月の4か月間に年降水量の半分以上の降雨がある。
- 地形
- 長江デルタに開けた都市のため、地勢は平坦で、いくつかの丘陵地以外は平均標高4mの沖積平野。
- 北部の長江(揚子江)河口にある崇明島は長江の流出土砂が堆積してできたもので、海南島(かいなんとう)(ハイナンタオ)(海南省)に次ぐ中国第2の島。(中国が自国領土とする台湾を含むと第3位)
- 黄浦江、蘇州河(そしゅうが)(スーチョウホー)など多くの河川が流れる。
- 中国語の方言である上海語を話す。
- 経済
- 「北京は政治の都、上海は経済の中心」といわれるように、中国随一の商都として知られる。
- 外国航路とも連絡する大貿易港をもつ。
- 上海近郊は、灌漑、排水設備の整備された生産力のきわめて高い農業地帯。
- 中心部
- 2002(平成14)年、浦東空港を起点とした30kmの区間に、実用化したものとしては世界初の高速リニアモーターカー(上海トランスラピッド)が最高時速430kmで営業が開始された。
- 旧市街地は黄浦江の西岸に開け、黄浦江に臨む外灘(バンド)と呼ばれる一角には、19世紀後半〜20世紀初期(日本-明治時代)に建てられた西洋建築がいくつも並ぶ。
- 黄浦江の東岸一帯では大規模な浦東(ほとう)(プートン)開発区の建設が行われた。
- 1994(平成6)年、完成当時世界第3位のタワー、東方明珠電視塔(とうほうめいじゅでんしとう)(ドンファンミンジュー・タワー)完成。
- 1998(平成10)年、完成当時世界第3位の超高層ビル、金茂大廈(きんもたいか)(ジンマオダーシャ)完成。
- 2008(平成20)年、完成当時世界第1位の超高層ビル、上海環球金融中心(しゃんはいかんきゅうきんゆうちゅうしん)完成。
- 2014(平成26)年、高さ632mの超高層ビル、上海中心が完成する予定。
- 2010年時点で上海には高さ60m以上の高層ビルが8000棟近くあるとされ、日本全国の高層ビルの4倍にになるという。
- 歴史
- アヘン戦争の結果結ばれた南京条約に基づき、1843年(日本-江戸時代後期)に通商港として開港された。
- イギリス、フランス、アメリカ、日本などによって「租界」という名の外国領が市内に設けられた。
- 蘇州河の北に広がる虹口(こうこう)(ホンコウ)地区には多くの日本人が住んだ。
- 1921(大正10)年の中国共産党の結成、上海事変、中国全土を激動に巻き込んだ文化大革命など、中国現代史の重要な事件がこの地で発生した。
- 1920年代から1930年代にかけて上海は中国最大の都市として発展し、イギリス系金融機関を中心に中国金融の中心となった。
- 1990年、浦東(ほとう)(プートン)開発区の大型プロジェクトが開始された。
- それまでの純農村地域は、高層ビル、整然とした住宅団地などがそびえたち、高級別荘地もある近代都市に生まれ変わった。
- 2010(平成22)年、黄浦江をはさんで上海万博が開催された。
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