- サンスクリットやパーリ語(インドの古語)の「ブッダ」(Buddha)の音写で、仏(ぶつ)ともいう。
- 中国では古くは「浮屠(ふと)」「浮図(ふと)」と書いた。
- 「めざめた人」「迷いの眠りからさめた人」「さとった人」の意味で、漢訳では「覚者(かくしゃ)」という。
- また、「絶対の理をさとって理となった人」のことでもある。
- 理、真理は真如(しんにょ)ともいい、仏陀のことを「真如から来た人」という意味で「如来」ともいう。
- また、すべての人の供養を受ける身であるから「応供(おうぐ)」ともいい、ほかに、世にも尊き人である「世尊(せそん)」とか、正しい覚(さと)りをひらいた人である「等正覚(とうしょうがく)」とも呼ばれる。
- 日本では明治期以前は仏陀とは言わず、ほとんど仏の1字のみを使い、「ほとけ」と訓じていた。
- もともと仏教が興起した時代には、ジャイナ教の聖者たちも、ウパニシャッドや叙事詩にあらわれる聖者たちも、みなブッダと呼ばれていた。
- しかし、仏教の発展とともに、仏教における最高の人をブッダと呼ぶようになった。
- したがって、固有名詞としては、釈迦のことであり、原始仏教から小乗仏教までは、仏陀といえば釈迦ひとりだった。
- 大乗仏教が成立すると、人格的仏陀よりも、むしろ仏陀が悟った内容こそ重要であるとする思想が生まれ、多くの仏陀が考えられるようになった。
- それと同時に、在家の信者も成仏できるとする思想が生まれ、それまでの閉鎖的・学究的出家集団に対する批判がおこった。
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