- 年越し、年の晩、大年(おおとし)、おおつごもりなどともいう。
- 一年の最後の日であるとともに、新旧の年が交替する境目の日でもある。
- かつては、一日は日没とともに始まると考えられていたため、大晦日の夕食は年取りの食事としてどの地方でも年取り魚や煮しめなど正式の食膳が用意され、正月元日よりも重要な日とされていた。
- 年越しそばも、金が集まるようにとか長寿祈願など由来は諸説あるが、やはり大晦日の特別な食べ物のひとつである。
- 現在は、正月元日の午前0時を期して新年が明けると考えられているが、二年参りといって各家の主人が大晦日から元日にかけて神社にこもる風習のある村もあった。
- 現在では二年参りといったら0時をはさんで、大晦日の夜から元旦にかけて神社や寺に参拝することをいう。
- 大晦日の晩は遅くまで起きているものとされ、早く寝るのを戒める言い伝えも多いという。
- 今日では家族水入らずで過ごすことが多く、紅白歌合戦などのテレビ番組を見た後で初詣に出かけるのが習慣になっている。
- 以前は、商家などでは1年に2回、盆と暮れに貸借を精算する習慣だったため、借金の取り立てなどで大晦日は多忙をきわめた。
- 現実生活のほか、民話の世界では大晦日は不思議なことが多く起こる境界的な日と考えられ、「大年の客」や「大年の火」などの話はその代表的なものである。
- 神社では大祓(おおばらえ)が行われ、大火を焚いたり祝詞をあげて旧年の罪や穢をはらい、寺院では百八つの煩悩をはらうとされる除夜の鐘を撞(つ)く。
- 地方によっては、囲炉裏に世継(よつぎ)ほだという大きな丸太の薪(まき)をくべたり、大火を焚いたりする家もあった。
- 火の呪力によって新旧の時間を交替させる儀礼と考えられるが、こうすると貧乏神が出ていくとの説もある。
- また、冬から春へ季節が交替する立春の前日の節分も、年の変わり目として年越しと呼ばれるが、古くは節分の豆まきも大晦日に行われていた。
- 欧米の大晦日
- 正月は民族や文化によって時期が異なるため、12月31日を特別視しない国も多い。
- キリスト教文化の欧米ではクリスマスのほうが重視され、大晦日の午前0時のカウントダウンの際に車のクラクションを鳴らしたり、周囲の人とキスしたりするほかは特別な儀式は行わない。
- 日本でも生活様式の変化で昔からの風習はかなり薄れ、静かに正月の神をまつることも少なくなってきている。
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