仏教
補陀落渡海 ふだらくとかい
  • 仏教においてかつて行われた、補陀落浄土を目ざして船で単身渡海する、死を前提とした修行(捨身の行(しゃしんのぎょう))。
  • 補陀落とはインドの南海岸にあるとされる山で、観世音菩薩が住んでいるとされた。
    • 補陀落は観音浄土を意味するサンスクリット語の「ポータラカ」の音訳で、チベットにあるダライ・ラマの宮殿「ポタラ宮」と同義だという。
  • 単身乗り組む行者は、箱に入るが、中から開けることはできない。
    • 船に動力はなく、海流にのって漂流するのみである。
  • 日本独特の行だといい、日本のいくつかの地で行われたが、有名なのは紀州の那智勝浦(なちかつうら)におけるもの。
    • 1233(天福1)年に御家人の下河辺行秀(しもかわべゆきひで)が那智の海岸から補陀落渡海したという記録がある。
      • 船に屋形をつくり、外から釘を打ち、30日分の食糧などを積んで出発したという。
    • この地には補陀洛山寺(ふだらくさんじ)(和歌山県那智勝浦町(ちょう))があり、ここの住職は60歳になると渡海したと伝えられている。
      • 868年(平安時代前期)から1722年(江戸時代中期)の間に20回実施されたという。
      • なかには途中で脱出を試みた人もいて、見つかった場合は海に連れ戻されたようだ。
  • 参考:Wikipedia、YAHOO!百科事典など
関連
*2010.07.29

My Dictionary