農山漁村の郷土料理百選候補一覧 埼玉県 |
県北部 |
いが饅頭<百選> |
- 農家で裏作として小麦が作られ、米作りに向かない土地も、小麦の栽培には合っていたようで、日本一の小麦の品質を誇る。
- そうした背景のもと、まんじゅうやうどんといった小麦食が盛んに作られるようになった。
- お祝い事には欠かせない「いがまんじゅう」は、その名のとおり栗のいがのように周りを赤飯で分厚く覆われたまんじゅう。
- ハレの日に、赤飯とまんじゅうを両方まとめて作ってしまう嫁の知恵から生まれたとも、子供の病気よけのために作られたともいわれている。
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川越市 |
いも料理 |
- さつま芋は関東ローム層に適していて、特に埼玉の川越一帯は名産地。
- 川越いもの名称は、十代将軍徳川家治の命名とされている。
- さつま芋は日本人を支えてきた栄養豊かな食品。
- 川越をさつま芋で有名なのが、芋せんべいと壷焼き芋。
- 現在ではさつま芋の加工に様々な工夫が見られ、懐石料理もその一つで、さつま芋の味を楽しんでもらう為の創意工夫がなされ、川越の郷土料理、さつま芋のイメージを一新させた郷土料理といえる。
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行田市 |
行田フライ |
- 戦前農家で手軽に作られていたフライは、腹持ちが良いこともあって、昭和初期の行田で全盛期を迎えた足袋工場で働く女工さんのおやつとして人気があった。
- 名の由来には、行田周辺が布の産地だったことから「布来(ふらい)」になった説や、フライパンで焼くからフライ、「富よ来い」に引っかけてフライになったなど、いろいろな説がある。
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越谷市・吉川市 |
なまず料理 |
- 元荒川と中川が合流する越谷、吉川一帯は川で栄えた町で、古くは隅田川からの船着場で、ここではなまずが多く捕れ、家庭料理としてなまずの天ぷらや蒲焼がよく食べられていた。
- 一時期農薬の影響で姿を消しましたが、水質の浄化によってまた捕れるようになった。
- なまずのたたきは身と骨をショウガ、味噌などと共に包丁でよくたたき、団子にして揚げるこの地方独特の料理。秋から春先にかけてが旬。
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秩父市 |
つきこんにゃく |
- 11月末になると、こんにゃく玉の掘取りも終わって、寒さも一段と厳しくなる頃、夜なべ仕事に農家ではこんにゃく作りをする。
- つきこんにゃくは、秩父市浦山地区のみに伝わる作り方で「たち臼」に入れて杵でつき、凝固剤はアクを使う特徴的なもの。
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中津川いも田楽 |
- 赤っぽく、やわらかい皮が特徴の中津川いもは、中山間の砂利畑で育つ秩父市の特産品。
- 中津川いも田楽は、中津川いもを丸ごと茹で、甘辛く調味した荏胡麻味噌だれをつけて焼いたおやつ。
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秩父地方 |
おなめ |
- いわゆる金山寺味噌。おいしすぎて箸までなめるので「おなめ」。
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しゃくし菜漬け |
- しゃくし菜(体菜)は、昔から秩父地方で作られていた野菜。
- 収穫後塩漬けにし、一年中日常のおかずやおやつとして食べる。
- また、古くなると炒めたり、刻んでもちやまんじゅうのあんにしたりもする。
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つっとこ |
- 地域の皆が協力して農作業を行っていた頃、たくさん作ってお弁当として食べた。
- 大きな葉を使ってもち米や小豆等を包むという、山間に位置する秩父ならではの料理。
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冷汁(ひやしる) |
- 夏の家庭料理。
- 夏バテなどで食欲がない時にもごはんにかけると食がすすみ、体力回復が期待できる。
- 旧家などでお盆に親戚一同が会した時、宴席の締めにうどんのつけ汁として出されることもある。
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えびし |
- 柑橘の皮や木の実をはじめ、様々な材料を刻んで混ぜ込むので、作る家庭によって個性が出る。
- 「ゆべし」が訛って「えびし」と呼ばれるようになったといわれている。
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黄金めし |
- 昔、秩父で銅がとれ、都へ遠くの旅路に難をしのぐ食べ物が、アワ、ヒエ、キビ、クリなどだった。
- それを食べていたところ、時の帝がみて「その黄金に輝く食べ物は何じゃ!おいしい黄金のめしじゃのう」と言ったのがきっかけだそう。
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東秩父村 |
のごんぼうもち |
- のごんぼうとはオヤマボクチ(ヤマゴボウの一種である山菜)のことで、春先に若葉を摘み、ヨモギを使った草餅と同様に使う。
- 茹でて100g位に分け、冷凍しておくと年間使える。
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東松山市 |
やきとり |
- 豚肉で、特に頭肉を利用したものが主流で、軽く塩焼きしたものを10種類以上の香辛料をブレンドしたピリ辛味噌だれで食べるのが一般的。
- 豚肉も鶏肉も利用することから、平仮名で「やきとり」と呼んでいる。
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深谷市 |
ねぎぬた |
- 深谷ねぎは、白い部分が多く柔らかいのが特徴で、火を通すと一段と甘味が増す。
- 深谷ねぎを使ったねぎぬたは、昔から深谷市周辺で食されたシンプルな料理。
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利根川 |
うなぎ |
- 利根川の天然うなぎは「旅うなぎ」といい、味の良さで珍重されてきた。
- うなぎの蒲焼は浦和(さいたま市浦和区)が発祥の地とされている。
- 江戸の頃、中山道を往来する旅人に蒲焼を食べさせ、その名を広めたという。
- 小川町では女朗うなぎ料理が名物で、昔、吉原の花魁がこの町の商人に身請けされ、当家がその面倒をみた。
- その恩返しに花魁の生家に伝わるうなぎの蒲焼の秘法極意を伝えたといわれ、そこから女朗うなぎと呼ばれたという。
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田舎うどん |
- 水田地帯である埼玉県では裏作として小麦が作られるため、日常食・行事食として日常の様々な場面でうどんが作られ、よく食べられている。
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おっきりこみ(煮ぼうとう) |
- 小麦粉で作った幅広の麺を、味噌または醤油ベースのつゆで煮込んだもの。
- 根菜類など季節の野菜を切って具にする。
- 一般の煮込みうどん等に比べ濃厚な独特の味わいがある。
- 麺と具を「切って」つゆで「煮込む」ことから、もしくは「切り入れる」という意味の「切り込む」から自然発生した名。
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かてめし |
- 米が貴重だった頃、かさ増しするために野菜の煮物を混ぜたのが始まり。
- 節句や七夕、来客時など、行事食として県内で広く食べられてきた。
- 地域によって、混ぜ込む野菜に特徴がある。
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けんちん汁 |
- えびす講や冬至など、冬の物日によく作られ、身体の暖まる料理。
- もともとは、修行僧達の精進料理であったといわれている。
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五家宝(ごかぼう) |
- 五家寶の由来には諸説あり、@茨城県五霞村発祥、A上州甘楽郡五箇村発祥、B武蔵国不動岡発祥、C水戸の銘菓"吉原殿中"を真似て熊谷で作られた等があるが、確証はない。
- 江戸中期以降に北関東で作り始められたということだけは確かなよう。
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つみっこ(すいとん) |
- 一般的には「すいとん」と呼ばれている。
- 季節の野菜をたくさん入れた鍋に、水で溶いた小麦粉を入れて火にかける。
- 生地になった小麦粉を指先でのばしながらちぎって入れて、醤油で味をつけたら出来上がり。
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たらし焼き |
- 菓子があまりなかった頃、野良仕事のおやつやお茶受けに、たらし焼きは貴重な食べ物だった。
- たらし焼きをゴマ味噌であえて、ゴマ和えにすることもある。
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炭酸まんじゅう |
- 時間がなくても簡単に作れるので、農作業時のおやつとして食べられている。
- 小麦粉・重曹・水でシンプルな皮をつくり、いろいろなあんを包む昔ながらのまんじゅう。
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忠七飯(ちゅうしちめし) |
- 炊き立ての御飯に、刻み海苔・山葵(わさび)・柚子・洗いネギを椀に盛り、熱い出汁をかけて食べる茶漬けで、山牛蒡の味噌漬けと浜納豆を添える。
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栃もち |
- 栃もちは正月につく習慣がある。
- 栃の実は苦味が強く、あく合わせ(あく抜き)に手間がかかる。
- 上手にできると少しほろ苦みがあって美味しく、年配者には栃もちを一口食べると脳卒中にならないといって好まれる。
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ねじ |
- うどんをあずきであえると螺旋状になることから、「ねじ」と呼ばれたのか?名前の由来は定かではない。
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のらぼう菜のおひたし |
- 古くから栽培されてきたアブラナ科の野菜である「のらぼう菜」は、おひたしなどにして茎を食べる。
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冷汁うどん<百選> |
- 主に夏場に人気のあるメニューで、ごま味噌の風味と、ツルツルしたうどんの絶妙の組み合わせに、氷を入れた冷たいうどん。
- つゆの中には、シソやゴマ、また、キュウリやミョウガなどお好みで楽しめる。
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焼きもち |
- 小麦粉で作られる焼きもちは腹持ちがよく、農繁期にこじょはん(小昼飯)として食べられている。小麦粉に残ったごはんを入れたりしたものに、野菜を加えて水を入れて練り、平らなまんじゅう形にのばし、油をひいたなべで焼いたもの。
- 加える野菜としては、ねぎや白菜、にんじんなどを入れることが多い。
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ゆべし |
- 柚子(ゆず)は晩秋に収穫され、料理には香りを楽しむために使われている。
- 皮ごと使うゆべしは、子供のおやつやお茶受けに作られる。
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- 「農山漁村の郷土料理百選」から作成(2010.04)
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