植物・食品
ねぎ
Welsh Onion
  • 主に日本や中国で食す野菜で、硫化アリルによる特有の刺激臭と辛みを持ち、日本全土で野菜として栽培されるユリ科ネギ属の多年草。
  • 葉は円筒形で長さ30〜70cm、先がとがる。
    • 生長するにつれて中空になり、途中から折れ曲がる。
    • 初夏に花茎(かけい)をのばし、ネギ坊主と呼ばれる球状の花序に白い小花を多数開く。
    • 食欲増進や体を温めるといった薬効があるため、古代から薬用としても用いられている。
  • 中国西部原産といわれる。
    • 中国では2000年前(日本−弥生時代)から栽培されていた。
    • ヨーロッパへは16世紀(日本−戦国時代)に伝わり、アメリカへは19世紀(日本−幕末〜明治時代)に導入された。
      • 英名のWelsh はドイツ語の「外国の」という言葉がなまったものだといわれている。
    • 日本へは古い時代に中国から渡来し、「日本書紀」にも「岐(き)」として記録されている。
  • 種別
    • 関西地方
      • おもに緑色の葉の部分を食べる葉ネギが栽培される。
        • 葉ネギの代表的な品種には九条ネギ(くじょう・・・)岩槻ネギ(いわつき・・・)
          • 万能ネギ」と呼ばれているものは、福岡県産の九条ネギである。
    • 関東地方
      • 盛り土して葉の基部を軟白した根深ネギが栽培される。
  • 栽培されているネギ類
    • リーキ、ワケギ、アサツキ、タマネギ、ニンニク、ニラ、ラッキョウ、エシャロットなど。
      • リーキ
        • ポロネギ、セイヨウネギ、ニラネギともいう。
        • ネギによく似ているが、葉はニンニクのように扁平である。
        • 地中海原産といわれる。
          • 古代エジプト、ギリシャで栽培され、ローマでも利用され、ローマ皇帝ネロも食べていたといわれている。
        • 欧米諸国では西洋料理にかかせない野菜だが、日本には明治初めに導入されたが、あまり使われていない。
      • ワケギ
        • ネギより小ぶりで葉が細く、特有のにおいも少ない。
        • 未成熟の葉を食用にする。
        • ネギの変種、あるいはネギとタマネギの交雑種の説があるが、はっきりしない。
        • 2000年以上前から栽培され、日本にも1500年前(古墳時代)に渡来したといわれている。
        • 関西地方で多く栽培され、フグ料理にはかかせない。
      • アサツキ
        • センボンワケギともいう。
        • 海岸や山地に生える多年草。
        • 葉と鱗茎が食べられるため、古くから栽培されている。
        • 北海道から四国、シベリアに分布する。
        • 葉は細い円筒形で長さ30cmくらい、ワケギより細長い。
        • あえ物や薬味などにされ、においはネギより弱い。
      • エシャロット
        • ヨーロッパから東南アジアで栽培される多年草。
        • シャロットともいう。
        • 鱗茎と葉を食用にする。
        • 鱗茎はソースのベースとして、またピクルスにつけるためによくもちいられる。
        • 現在、「エシャロット」として日本の野菜市場に出ているものは、ヨーロッパから導入されたものではなく、日本産のラッキョウを若いうちにとったもの。
          • そのため本来のエシャロットはベルギー・エシャロットなどと呼ばれ、区別されている。
          • 日本産のラッキョウ系エシャロットは、おもに静岡県浜松市で生産されている。
  • 野生のネギ類
    • 日本に自生するネギ類にはノビル、アサツキ、ギョウジャニンニクなどがある。
      • ノビル
        • 日本全土の日当たりのよい道端や土手などに生える多年草。
        • 細い葉は中空で、断面は三角形をしている。
        • 地中の白い鱗茎と葉を食用にする。
      • ギョウジャニンニク
        • 近畿地方から北海道までの山地に生える多年草。
        • 長楕円形の大きな葉が根元から生え、その間から高さ30〜50cmの花茎を出す。
        • 若い茎や葉、鱗茎を、生のまま炒め物にして食べる。
        • 強いニンニク臭があり、行者がこれを食べて修行したという伝承からこの名がついた。
  • 参考:エンカルタ2007
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2010.07.05

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