かいこ
Silkworm
  • 絹糸をつくるカイコ蛾の幼虫。
  • 1対の唾液腺が特殊化した絹糸腺を持ち、これで繭を紡ぐ。
    • この絹糸腺は、透明で粘着性のある液体を分泌する。
    • その分泌液は幼虫の口器にある吐糸口と呼ばれる開口部から押し出され、空気に触れると硬化する。
    • 吐糸口の直径により、作られる絹糸の太さが決まる。
  • カイコの飼育(養蚕)は中国で始まり、3世紀半ば(弥生時代から古墳時代に変わる時期)に日本に伝えられた。
    • その後6世紀(古墳時代後期)にヨーロッパやアジア西部に、18世紀(江戸時代中期)に北アメリカに伝えられた。
    • カイコは何世紀もの間飼育され、もはや野生のものは見られない。
  • 成虫の口器は痕跡的で、短い成虫期に餌を食べることはない。
    • メスはほとんど産卵直後に死ぬ。
    • オスもその後わずかに生きるだけ。
  • 卵は、平らな所にメスが分泌する粘着性の物質でしっかり固定され、およそ10日で孵化(ふか)し、6mmほどの幼虫が現れる。
  • 幼虫はの葉を食べる。
    • 幼虫は体長約7.5cmまで大きくなり、色は黄灰色または黒っぽい灰色となる。
  • 孵化しておよそ6週間後に、カイコは餌を食べなくなり、繭を紡ぎ出す。
    • 繭を作る糸の長さは300〜900m。
    • (さなぎ)の状態は2週間ほど続き、蛹の期間を終えると羽化して成虫となる。
    • 成虫は、羽化するときに繭を破って商品価値を無くしてしまうので、絹の商業生産では、種の存続に必要な数しか羽化させない
      • 繭の中のカイコは、熱湯に浸けたり、熱気を当てて乾燥したりして処理される。
関連HP
蚕学研究室(東京農工大学農学部生物生産学科蚕学教育研究分野)
絹小沢株式会社
・・・蚕の一生
■繭の標本 東京農工大学科学博物館(東京都小金井市)

2009/9/10
■蚕や養蚕についての展示がある駒ヶ根シルクミュージアム(長野県駒ヶ根市)

2007/4/21
2011.05.31

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