- 異様ともいえる強烈な臭気があるのが特徴
- くさいから「くさや」といわれるように、焼くと隣近所にまで漂う臭いは鼻をつまみたくなるほどだが、くさや好きには垂涎(すいぜん)のうまい香りであるという
- 特にに新島産の、クサヤモロとも呼ぶアオムロアジやトビウオのくさやが高級品として知られる
- サンマ、イワシ、小型のマサバなどのくさやもある
- 製造行程
- アジは腹開き、トビウオは背開きにして内臓を除き、きれいに洗って、くさや汁に浸ける
- 浸ける時間は魚の種類、季節により異なるが、およそ12〜20時間
- その後、簀の子(すのこ)に並べて水分が30%前後になるまで天日(てんぴ)で干す
- くさや汁の素は塩分10%前後の塩水だが、溶け出た魚の可溶性タンパク質やエキス分が発酵した特有の臭気と味があり、微生物も生きている
- 一度魚を浸けたらしばらく休ませ、長期間使用しない場合は魚の切り身を入れ、塩や水を足して、微生物を生かして繰り返し使い継ぐ
- 歴史
- 江戸時代に生まれた
- 当時の伊豆諸島では塩が貴重品で、魚の塩乾物を作ったときの塩水を無駄にせず、繰り返し使ったところからの偶然の産物だった
- くさやは江戸に送られて珍味となり、以来、江戸人、東京人が好む
- 伊豆諸島では昔は家庭でもくさやを作っていた
- 先祖代々のくさや汁を受け継ぎ、100年は使い続けてきている業者もあり、300年はもつといわれている
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