- 関東地方北東部にある県。
- 県庁所在地
- 江戸時代以前の常陸国(ひたちのくに)全域と下総国(しもうさのくに)北部にあたる。
- いばらき
- 茨城は「いばらき」だが、「いばらぎ」と言う人が多い。
- 2008(平成20)年頃、物産の宣伝のため東京キー局のラジオ番組に出演した鉾田市長も「いばらぎ」と言っていた。
- 地域
- 県南、県北(けんほく・けんぽく)、鹿行(ろっこう)(鹿嶋都市圏)に加えて県央、県西(けんせい)に分けられる。
- 地形
- 特徴
- 広い台地と長い海岸が特徴。
- 東は太平洋に面し、南の千葉県との県境を利根川が東へ流れる。
- 県域を3つに大別
- 中央部から南部および西部にかけての常陸(ひたち)台地。
- 南西部の利根川流域から南東部の霞ヶ浦、北浦にかけての低地。
- 北部の山地
- 常陸台地
- 利根川流域と低地
- 常陸台地を刻んでいくつかの河川が流れ、川がつくる低地が木の枝のようにのびている。
- 南流する鬼怒川と小貝川は県西部で利根川に合流して東に流れを変える。
- その下流域には、琵琶湖(滋賀県)に次ぐ日本第2の面積の霞ヶ浦や北浦などの湖沼や低湿地が広がる。
- 潮来市(いたこし)周辺は水郷地帯と呼ばれ、古くから水に恵まれ、同時に水に苦しむ地域だった。
- 北部の山地
- 八溝山(標高1022m)を最高峰とする八溝山地(やみぞさんち)と、海岸に沿う阿武隈高地(あぶくまこうち)がある。
- 筑波山(877m)(つくば市)は、八溝山地が関東平野に半島状に突き出た所にそびえている。
- 八溝山地に源を発する久慈川と那珂川(なかがわ)は南東に流れ太平洋に注ぐ。
- 久慈川の河口から南には砂浜海岸が広がり、とくに那珂川河口から利根川河口までは70kmに渡って砂浜海岸が続き、鹿島浦と呼ばれる。
- 気候
- リンゴ栽培の南限、ミカンや茶の栽培の北限。
- 県域の気候に地域差が大きい。
- 南東部の低湿地から鹿島浦にかけての冬は温暖。
- 内陸から山地にかけては寒暖の差が大きく、とくに県北の山間部の冬の寒さは厳しい。
- 厳寒期には久慈川に「シガ」とよばれる全国でも珍しい氷片が流れ、中流の袋田の滝は凍結して巨大な氷の壁に変わる。
- 県央から県北にかけては夏に太平洋から強い北東風が吹き、県西では冬に「日光おろし」「八溝おろし」「筑波おろし」などと呼ばれる強い北西のおろし風が吹く。
- 周囲を平地に囲まれた筑波山では、冬に中腹が麓より暖かくなる珍しい気温の逆転現象がみられる。
- 住民
- 平地が広く、居住可能な土地が県の面積の3分の2を占める。
- 10万人以上の市は水戸市、日立市、つくば市、ひたちなか市、古河市、土浦市、筑西市、取手市の8市で、水戸市は25万人、日立市は20万人を超えている。
- 産業
- 農林漁業
- 農作物の作付面積は北海道に次いで多く、全国屈指の農業県。
- 県域の大半を平地が占め、その多くが農地であることから、森林率は約3割と大阪府に次いで全国で2番目に低い。
- 近年は、県西のハクサイ、筑波山地周辺のクリ、霞ヶ浦周辺のレンコン、神栖市(かみすし)のピーマン、石岡市のカキ、鉾田市のメロン、稲敷市のカボチャなど、全国有数の特産地が生まれている。
- 明治期以降、台地で栽培されるサツマイモを使った養豚が盛んで、豚の飼育頭数は全国一を誇っている。
- 県北の山地はかつては馬の産地だったが、近年、肉牛の飼育に転じ、常陸牛の名で知られている。
- 茨城県の沖合は、寒流の親潮と暖流の黒潮が出合うイワシやサンマなどの好漁場。
- マグロやカツオなどの遠洋漁業も行われている。
- おもな漁港は那珂湊、大洗、大津など。
- 工業と地域開発
- 県北の日立市
- 1910年(明治43)に創業した日立製作所とともに発展した電気機器工業の都市。
- 現在は、関連する中小工場も数多く、隣接するひたちなか市まで工業地域が拡大して、広い企業城下町を形づくっている。
- 鹿島臨海工業地域
- 1969年(昭和44)に寒村の砂丘を切り開いた掘り込み式の鹿島港が完成して以来発展した、鉄鋼と石油化学コンビナートを中心とする重化学工業地域。
- 東海村
- 日本で初めて建設された日本原子力発電東海発電所(1998(平成10)年に営業運転を停止)を中心に原子力関連工業が発展している。
- 筑波研究学園都市
- 国立の研究機関のほか民間企業の研究所が集まり、国際的な研究開発センターとなっている。
- 2005(平成17)年、東京の秋葉原(千代田区)とつくば市を結ぶ、つくばエクスプレスが開業した。
- 観光と文化
- 水戸市周辺
- 水戸黄門の名で親しまれる水戸藩2代藩主徳川光圀を始め藩主ゆかりの史跡が多い。
- 第9代藩主徳川斉昭が造園し、数千本のウメが植えられた偕楽園は日本三大名園の一つ。
- 市内に県立近代美術館と水戸芸術館があり、内外の近現代の美術を豊富に収蔵している。
- 水郷、筑波
- 筑波山
- 関東平野の展望台といわれ、中腹には筑波山神社がある。
- 麓のつくば市には、宇宙やバイオなど先端科学技術の見学と体験ができる筑波エキスポセンターと筑波宇宙センターがある。
- 霞ヶ浦
- 遊覧船、夏の風物詩となっている、かつては漁で使われ、今は観光用の帆引き船。
- 霞ヶ浦の鯉は有名だったが、2003(平成15)年のコイヘルペスウイルス騒動で養殖が休業状態になっていた。
- 水郷
- サッパ舟で潮来十二橋巡りができ、6月には潮来市であやめ祭が開かれる。
- 北部山地、太平洋沿岸
- 袋田の滝
- 県北の海岸
- 海食崖(がい)が多くみられ、五浦海岸(いづら・・・)や小貝浜海岸などの景勝地が連なる。
- 南へ進むにつれて砂丘が発達し、国営のひたち海浜公園や大洗海岸などの海水浴場がある。
- アンコウ鍋
- 大津港を中心とする地方の郷土料理。(郷土料理百選)
- 土鍋の中でグツグツと湯気をたてながら煮込まれ、冬の味覚を代表する。
- アンコウは、姿はグロテスクだが、味は淡白で、肝はとくに美味だという。
- 茨城空港
- 2010(平成22)年、小美玉市(おみたまし)に開港。
- 県内に民放の地方テレビ局がない。x
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