- 歴史
- 豆腐の発祥地は中国で、「腐」は中国では柔らかな弾力性のある固体をいう。
- 日本に伝わった時期ははっきりしないが、平安時代末の文献に初めて豆腐の名がみられる。
- 鎌倉時代になって禅宗が中国から伝えられると、豆腐は精進料理の材料として寺院を中心に発達した。
- 江戸時代に入ると、それまで僧侶や武士の食べ物であった豆腐は一般にも普及し、各種の料理が生まれた。
- 約100種の豆腐料理を記載した「豆腐百珍」が1782(天明2)年(江戸時代中期)に刊行され、続編が次々に出されるなど評判をよんだ。
- 製法
- ダイズを水に浸けて軟らかくしたあとすりつぶし、水を加えて煮る。
- これを濾過(ろか)して豆乳とおからに分け、豆乳に凝固剤を加えてかためる。
- 凝固剤は、以前は海水から製塩する際の副産物である苦汁(にがり)を使っていたが、今は、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、デルタグルコノラクトン、塩化カルシウムなどを単独または混合して用いることもある。
- 製法による分類
- 木綿豆腐
- 凝固剤を加えた豆乳が白くかたまってきたら上澄みを捨て、凝固物を少しくずして木綿の布を敷いた穴のある型箱に入れ、重しをして水切りをする。
- 豆腐が充分かたまったら箱から出し、しばらく水に浸して余分の凝固剤を除き、製品とする。
- 普通豆腐、木綿ごし豆腐ともいう。
- 絹ごし豆腐
- 濃いめの豆乳と凝固剤を、穴の開いていない型箱の中で混合し、そのまま豆乳全体をかためて製品とする。
- 表面が滑らかで軟らかいので木綿ごしに対して絹ごしと呼ばれる。
- ソフト豆腐
- 木綿と絹ごしの中間的な製品で、凝固物をくずさずに木綿豆腐用の型箱に入れ、短時間水切りしてかためたもの。
- 充填豆腐(じゅうてんどうふ)
- 絹ごし豆腐より少し薄い豆乳に凝固剤を混ぜて包装容器に入れ、密封したあと加熱し、凝固させたもの。
- 豆腐料理
- 冷ややっこ
- 湯豆腐
- 炒り豆腐
- 豆腐田楽
- あんかけ
- 揚げ出し豆腐
- 白和え(しらあえ)
- けんちん汁
- 麻婆豆腐(まーぼーどうふ)
- 鍋物、汁の実など。
- 豆腐をさらに加工したもの
- 焼き豆腐
- 油揚げ(薄揚げ)
- 生揚げ(なまあげ)(厚揚げ)
- がんもどき
- つぶした豆腐に野菜やキクラゲ、ぎんなん、ゴマなどを加えて、丸めて揚げたもの。
- 凍豆腐(こおりどうふ)(高野豆腐)(こうやどうふ)
- その他に豆乳からつくられる湯葉がある。
- 豆腐の名が付くが豆腐ではないもの
- 卵豆腐
- ごま豆腐
- くるみ豆腐
- 杏仁豆腐(あんにんどうふ)
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