- 不立文字(ふりゅうもんじ)を原則とするので、他宗のように中心的経典はたてない。
- 悟りの機微は師から弟子に受け継がれるとする師資相承、師の心を弟子に伝えるとする以心伝心、文字に書いた教えだけでなく全人格的な教えが必要だとする教外(きょうげ)別伝など、種々の特徴をもつ宗派。
- 元来、禅は仏教の基本的実践の重要な徳目であるから、古くからインドで重視されていたが、宗派として確立したのは中国において。
- 禅宗は、臨済宗、曹洞宗などの五家が分立し、これに臨済系の分派である2派を加えた五家七宗が中国禅宗のおもな分派となった。
- 禅宗は唐代から五代を経て宋代に栄えて、中国仏教の主流を成すにいたった。
- 日本に伝えられた禅は、すべて五家七宗に分派した後の宋朝禅だった。
- 禅宗を日本に最初に伝えたのは栄西。
- 栄西は鎌倉初期に入宋して臨済宗黄竜派の禅を伝え、鎌倉幕府の帰依を受けて京都に建仁寺(けんにんじ・京都市東山区)を開いた。
- 鎌倉時代のもう一人の代表的な禅僧、道元も、入宋して曹洞宗を日本に伝え、京都で正法禅を説いたが、比叡山の迫害により、越前に永平寺(福井県永平寺町(ちょう))を開いて弟子を教育した。
- 曹洞宗は多くの優れた弟子が出て、全国的に広まった。
- 室町時代に入ると、臨済宗は京都や鎌倉を中心として栄えた。
- 明治以後、日本の禅宗は鈴木大拙らの活躍で海外でも知られるようになった。
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