| タイガーマスク運動 | タイガーマスクうんどう | 
    
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        2010(平成22)年12月25日に児童相談所に「伊達直人」の名でランドセルが贈られたことをきっかけに、全国で連鎖的に各種施設にランドセル、品物、金銭などが匿名で贈られた事象。
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        タイガーマスク運動はこの事象をテレビ・新聞などが付けた呼び名で、タイガーマスク現象とも言われた。
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        伊達直人−タイガーマスク
        
          伊達直人(だて なおと)
          
            漫画「タイガーマスク」において主人公のプロレスラー、タイガーマスクの本名。
            「タイガーマスク」は1968(昭和43)年〜1971(昭和46)年の間に、各種漫画雑誌に連載された。
            
              1969(昭和44)年〜1971(昭和46)年までテレビアニメが放送された。
            伊達直人は孤児院「ちびっこハウス」で育ち、プロレスラーとして成功、素性を隠してちびっこハウスの子ども達にプレゼントを贈り続ける。
            
              最終回は、試合がある日、車にひかれそうになった子どもを助け、身代わりになったタイガーマスクは、伊達直人だと知られないよう、最期の力を振り絞ってマスクを川に投げ捨てた。
            実際のプロレスでのタイガーマスク
          
            タイガーマスクは実際のプロレスでも1981(昭和56)年にデビュー、テレビ中継され、空中殺法などダイナミックな動作が人気を博し、一大プロレスブームを起こした。
            
            2011(平成23)年時点で5代のタイガーマスクが存在している。
            
              最初のタイガーマスクだった佐山聡(さやま さとる)は、現在でも「初代タイガーマスク」としてマスコミに登場する。
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        タイガーマスク運動の経緯
        
          2010(平成22)年12月25日、群馬県前橋市の県中央児童相談所へ「伊達直人」の名でランドセル10個が置かれ、この件が報道された。
          2011(平成23)年1月1日、神奈川県小田原市の県小田原児童相談所に「伊達直人」の名でランドセル6個が置かれた。
          
            これが2例目で、これをきっかけに全国で「伊達直人」の名でランドセルなどが贈られることがひろがっていく。
            1月中に全国すべての都道府県で確認された。
          届け先は児童相談所だけでなく、市役所、警察署、スーパーにもあった。
          
            名前は「伊達直人」を中心に他の漫画のキャラクターや実在の人物を名乗る場合もあった。
            寄付者で年齢がわかる例では、上は70歳代から下は小学生の例もあった。
            中には、施設内での上級生から下級生に贈った例もあったという。
          波及効果
          
            「タイガーマスク」の漫画本が売れた。
            テレビの情報番組などで、児童養護施設では、かつては親のいない子どもが引き取られたが、現代では親がいるのに虐待などで離れていなければならないのがほとんどという実態が報道された。
            
              漫画、アニメの「タイガーマスク」に関わる人物が紹介された。
            国会でも児童養護施設の状況の改善を行う必要の意見が出された。
            全国児童養護施設協議会が、「感謝するが、できれば事前に何が必要なのかを問い合わせてほしい」、旨の文書を新聞紙上やウェブサイトに載せた。
            「子供にランドセルを背負わせるのが、伊達直人 子供に借金を背負わせるのが、菅(かん)直人(当時の首相)」のジョークが話題となった。
            3月1日、NPO法人「ファザーリング・ジャパン」が、この運動を一過性のものには終わらせないため、児童養護施設の子どもたちを経済的に支援する「タイガーマスク基金」の設立を発表。
            
              基金の発起人には「タイガーマスク」原作者・梶原一騎(かじわ らいっき)の妻や、作画・辻なおきの妻も名を連ねている。
            全体としては温かい話題として世間は評価したが、この事象の別の面を指摘し批判する声もあった。
          2月に入るとほぼ収束していったが、散発的に寄付は続いた。
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        2011(平成23)年初頭の温かい話題としてのタイガーマスク運動は、3月11日に起きた東日本大震災によって吹き飛んでしまった感がある。
        
          しかし、各地で行われた被災地に送る義援金募集に引き継がれたのかもしれない。
          「タイガーマスク」が2011(平成23)年の流行語大賞の候補になった。
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      | 関連 | 
    
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      | 関連HP | 
    
      | 全国児童養護施設協議会 | 
    
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      | 2011.04.05 | 
    
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