相撲 |
すもう |
- 日本の「国技」(こくぎ)と呼ばれる(定められているわけではない)、2人が組み合って、相手を土俵の外に出すか相手の足の裏以外を地に着けるかすれば勝ちになる競技。
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- 日本の伝統文化の一つで、神事相撲、相撲節会(すまいのせちえ)、武家相撲から勧進相撲(かんじんずもう)に発展し、興行を目的とする大相撲として今日まで続いている。
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- 歴史
- 神話伝説では、「古事記」にあるタケミカヅチノカミ(建御雷神)とタケミナカタノカミ(建御名方神)との国譲りの力比べがある。
- 「日本書紀」には垂仁天皇の7年に野見宿禰(のみのすくね)と当麻蹶速(たいまのけはや)が大和で相撲をとり、宿禰が蹶速を踏み殺したとあり、宿禰は相撲の始祖とされている。
- 五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈願する農耕の儀礼として始まった相撲は、8世紀(奈良時代)に入って神前に奉納する神事相撲になり、821年(弘仁12)(平安時代初期)には相撲節会(すもうせちえ)として宮中の儀式に定められた。
- その後、武士の台頭とともに、公家から武家の相撲へと移る。
- 江戸時代になると職業化した相撲集団が増え、京都・大坂・江戸をはじめ、各地で神社や寺の建立・修復の資金を得る名目で勧進相撲が行われた。
- 無敵の雷電為右衛門が番付上の当時の最高位である大関の座を16年間占めた。
- 1833年(天保4)から両国(墨田区)・回向院(えこういん)が興行場所として定まる。
- 1890(明治23)年、初めて番付に最高位である「横綱」が明記された。
- 1907年(明治40)、「角聖」といわれた常陸山(ひたちやま)がアメリカに渡り、ホワイトハウスで土俵入りを披露する。
- 1909(明治42)年、回向院境内に両国国技館が完成する。
- 1928(昭和3)年、日本相撲協会が確立、NHKのラジオ放送が始まる。
- 1950(昭和25)年、3横綱が一度に欠場し、横綱の粗製濫造などと世間から非難され、横綱の権威が揺らいだため、有識者によって横綱を選ぶ横綱審議委員会が発足する。
- 1953(昭和28)年、テレビ放送が始まる。
- 1954(昭和29)年、蔵前国技館(台東区)が完成する。
- 1962(昭和37)年、ハワイ公演で本格的な海外巡業が実現する。
- 1964(昭和39)年、ハワイからジェシー・クハウルアが来日して高砂部屋(たかさごべや)に入門し、高見山大五郎のしこ名(力士名)で外国人として初めて土俵を踏む。
- 1972(昭和47)年、高見山は外国人力士として初めて幕内優勝する。
- 1984(昭和59)年、新しい両国国技館が完成する。
- 1989(平成元)年、31回優勝、53連勝を記録したことにより、千代の富士が相撲界初の国民栄誉賞に輝く。
- 1993(平成5)年、曙太郎(あけぼの たろう)が外国人初の横綱へ昇進する。
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- 力士(りきし)
- 相撲を行うことを職業としている人。
- 「相撲力士」「相撲取り」とも呼ぶ。
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- 大相撲(おおずもう)
- 日本相撲協会が主催する興行としての相撲をおう。
- また、相撲の取り組み中、力士の力が拮抗してなかなか決着がつかない時(おおむね1分以上)、「大相撲」と呼ぶ。
- 中継アナウンサーが「これは大相撲になりました!」などと言ったりする。
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- 番付(ばんづけ)
- 力士・行司の階級・地位。
- 力士
- 関取(十両以上を呼ぶ)
- 幕内
- 横綱(よこづな)(最上位)
- 三役(さんやく)
- 大関(おおぜき)(第2位)
- 関脇(せきわけ)
- 小結(こむすび)
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- 平幕(ひらまく)
- 十両
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- 幕下
- 三段目
- 序二段
- 序ノ口
- 行司(ぎょうじ):土俵上で勝敗を判定する。
- 立行司(たてぎょうじ)
- 木村庄之助:行司最高位
- 式守伊之助(しきもりいのすけ)
- 三役格
- 幕内格
- 十両格
- 幕下以下
- 幕内、十両、幕下、三段目、序二段、序ノ口の6つのグループ内に分かれて相撲の取り組みが行われる。
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- 決まり手
- 勝敗を決めた技。
- 古来から48手(しじゅうはって)といわた。
- 江戸時代の元禄年間(1688〜1704)に分類して48手としたが、実際には300手あった。
- 最終的に相撲協会は2000年(平成12)に合計82手と決めた。
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- 場所
- 大相撲を行うところ、または大相撲が行われている期間を言う。
- 本場所
- 1年に6回、日曜日から翌翌週の日曜日までの2週間行われる公式戦。 (2010時点)
- 一月場所(初場所):両国国技館
- 三月場所(春場所):大阪府立体育館(大阪府大阪市浪速区)
- 五月場所(夏場所):両国国技館
- 七月場所(名古屋場所):愛知県体育館(愛知県名古屋市中区)
- 九月場所(秋場所):両国国技館
- 十一月場所(九州場所):福岡国際センター(福岡県福岡市博多区)
- 海外巡業が行われた場合、例えば「ニューヨーク場所」などと言う。
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- 制度
- 日本相撲協会
- 年寄り
- 親方と呼ばれる。
- 協会の評議員で協会の運営にあたる。
- 定員
- 現役を退いた力士は出羽海(でわのうみ)、時津風(ときつかぜ)、立浪(たつなみ)など105ある年寄名跡(としよりみょうせき)(年寄株)の一つを手に入れなければ、年寄になれない。
- 一代年寄
- 例外として、大鵬、北の湖、貴乃花のように、現役時代の功績により、その人だけに与えられた年寄り。
- 役職
- 部屋(へや)
- 年寄りが持つ権利で、力士を養成・指導する。
- 部屋数は50あまりに達する。
- 力士になるには必ずどこかの部屋に入門しなければならず、部屋ごとに共同生活をして稽古にはげむ。
- 各部屋は原則として出羽海、二所ノ関(にしょのせき)、時津風、高砂(たかさご)、立浪の一門に属し、結束している。
- その他、力士、行司、呼出し、力士の髪の毛を結う床山(とこやま)、若者頭、世話人、職員で構成される。
- 相撲茶屋
- 江戸時代から続いており、相撲界を支えている。
- 国技館内に20軒の茶屋がある。
- 1957(昭和32)年、改革で相撲サービス会社(後に国技館サービス会社)と名を改め、屋号をやめて1号から20号になった。
- 協会から席を預かり、特定の客に取り次いで案内から飲食の世話までするサービス業で、相撲協会とは持ちつ持たれつの関係にある。
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- 外国人力士
- 2002(平成14)年、日本相撲協会は新規入門者に対して、1部屋1人に制限する外国人力士枠を設けた。
- 上位力士の多くが外国人力士で、現在の大相撲は外国人が支えているといえる。
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- アマチュア相撲
- 大相撲以外にもアマチュアの相撲が行われており、日本体育協会傘下の日本相撲連盟が統轄していて、競技会が行われている。
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- よく耳にする言葉
- 勝ち越し
- 角番
- 三賞
- 三役
- 十両
- 初切(しょっきり)
- 序二段
- 序ノ口
- 前頭三枚目
- 幕内
- 負け越し
- 平幕
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- 大相撲での太鼓
- 触れ太鼓:初日の前日に相撲の開催を知らせる
- 寄せ太鼓:開催の朝
- 跳ね太鼓:取り組みの終了
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関連 |
相撲甚句 |
白鵬 |
関連HP |
財団法人日本相撲協会 |
財団法人日本相撲連盟 |
■両国国技館(東京都墨田区)
2010/12/10 |
■元横綱の曙が来場したらしい 横田基地友好祭2010にて(東京都福生市)
2010/8/22 |
■力士雷電展示館(長野県東御市)
2005/8/21 |
2010.03.29 |
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