トリアージ |
triage
(フランス語) |
- 多数の負傷者が出る災害や事故、戦争などに際して救急隊員や医師が選別し、優先順位をつける行為。
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- 災害が同時多発し、搬送手段や治療に制限がある状態では、できる限り多くの人命を救うには限られた医療資源を効率的に配分する必要があることから。
- 負傷者を短時間で(1)最優先治療者、(2)非緊急治療、(3)軽処置、(4)不処置群に振り分け、荷札のようなトリアージタッグを次々に患者の手首や足首につけていく。
- タッグには名前や年齢、血液型、簡単な症状を記入するが、多くの医療関係者が一目でわかるよう、赤、黄、緑、黒のカラー表示が一般的。
- 最優先の赤は出血多量や気道閉塞(へいそく)など生命の危険が迫っており、緊急に手術や処置をすれば助かる見込みがある患者。
- 黒は、ほとんど死亡状態か救命不可能の超重症者で処置は後回しになる。
- 日本では1995(平成7)年の阪神・淡路大震災で広く知られるようになった。
- 命の選別、早急な死亡の判定などの問題について議論も続いている。
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- 語源はフランス語の「triage(選別)」から。
- 元々はフランス軍の衛生隊が始めたもので、野戦病院におけるシステムであった。
- その始祖はフランス革命に遡る。
- 日本では1888(明治21)年に軍医でもある森鴎外がヨーロッパからトリアージのシステムを持ち帰り、軍隊において方式を変えた形で行われていたが、敗戦とともに消滅した。
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- 2005(平成17)年のJR福知山線脱線事故(兵庫県尼崎市(あまがさきし))、2008(平成20)の秋葉原の無差別殺傷事件(東京都千代田区)などでも実施された。
- 秋葉原の事件では救急車との連絡の不徹底、病院の数に充分余裕があり、そもそもトリアージの必要があったかなど、問題が指摘されているという。
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2011.03.31 |