算盤 そろばん
  • (たま)を動かして計算をする器具。
  • 石盤上にほられた溝に沿って珠を動かすものや、珠を軸に通して並べ、木枠にはめこんだものが古くから使われた。
  • 古代ギリシャでは石を並べて計算する方法があった。
    • ギリシャの計算法はローマに伝わり、盤の溝に上1個、下4個の珠をはめこんだ今日のそろばんによく似たものが使われていた。
    • 中世(5〜15世紀)イギリスでは市松模様の板や布が計算に使われた。
  • 中国でも紀元前にすでに珠を使う計算法があったと考えられている。
    • 漢の時代(日本-弥生時代)に編集され北周の時代(日本-古墳時代中期)に注を入れた「数術記遺」に珠算という語がでてくる。
    • その後14世紀(日本-鎌倉末期〜室町時代前期)になって教育用絵本「対相四言雑学」(1371)には、今日中国で使われている上2個、下5個のそろばんが解説されている。
  • 中国のそろばんは室町時代末期に貿易商人らの手によって日本に渡来した。
    • 16世紀末ころ(安土桃山時代)までの日本の状況を述べた「日本風土記」にそろばんを意味する「所六盤」という語があらわれるが、そのころにはひろく普及していたらしく、毛利重能の「割算書」(1622)、吉田光由の「塵劫記(じんごうき)」(1627)ではそろばんによる計算法がくわしく解説されている。
    • 上1珠、下5珠のそろばんは江戸初期に登場し、庶民の間にひろまった。
  • 現在の上1珠、下4珠の定位点のあるそろばんは、1938年(昭和13)に小学校に珠算教育がとりいれられた後大量に生産された。
    • 日本や中国のそろばんは、加減乗除だけでなく、平方根や立方根をもとめたり、連立一次方程式を解いたりする目的にも使うことができる。
  • 「そろばん」の語は、中国の「suon(ソン)+盤」のなまり。
  • 参考:エンカルタ2007
関連
関連HP
日本珠算連盟
トモエそろばん(トモエ算盤株式会社)
全国珠算教育連盟
播州算盤工芸品協同組合
2010.07.20

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