琳派 りんぱ
  • 画派として強固なまとまりをもって活動したわけではなく、各画家がそれぞれ先人を模範として学び、その造形を継承した結果が、一つの流派のような傾向を生みだしたもの。
    • 武家社会の公式の絵画となった狩野派や、庶民的な発想に根ざす浮世絵とは異なり、市井にありながら貴族社会の伝統的な絵画であったやまと絵を目指し、平安鎌倉時代の物語や季節の草花をおもな画題として、優美で繊細な情趣を追求した。
    • 高価な岩絵具をふんだんに使った絢爛たる画面は、桃山期の豪華趣味を継承するもので、支持者の経済力を物語るものでもある。
    • その造形は装飾的と評されるが、それは画風が華やかで平面的であることに加え、活動が生活芸術全般に及んでいることとも関係している。
  • 当時の画家の地位としてはかならずしも高くなく、今日ほどの評価を受けていなかったと考えられる。
    • 評価が飛躍的に高まるのは、19世紀以降、その斬新な意匠的造形の中に近代芸術にも通じる造形思想が発見されてからのことだった。
  • 参考:エンカルタ2007
 2010.2.21

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