花菖蒲 |
はなしょうぶ
Japanese Iris / Sword-Leaved Iris |
- アヤメ科、アヤメ属の多年草で、日本各地、朝鮮半島、中国東北部、シベリアに自生するノハナショウブから改良された園芸種。
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- ハナショウブ、カキツバタ、アヤメは、知識がなければ皆、同じ花に見えてしまう。
- 花は6〜7月に咲く。
- 雨にぬれてしっとりと咲く優美な花姿に風情があるため、日本各地の菖蒲園(しょうぶえん)は梅雨の時期になると花見客でいっぱいになる。
- 江戸時代中期から盛んに品種改良された。
- 今まで7000種ほどが開発され、現在2000種ほど栽培されている。
- 見分けるポイント
- 花は掌(てのひら)より大きく、アヤメ、カキツバタより大きい。
- 花びらの付け根から黄色い筋が一つある。
- ハナショウブはアヤメとカキツバタの中間という性質で、水やりに注意すれば花壇でも育てられる。
- 池などに植えるときは水に近い岸辺に植え、花期だけ池の水位をあげるとよいという。
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- いずれか判定に困るほどの美女であることの表現に、「いずれ菖蒲(アヤメ)か杜若(カキツバタ)」という成句があるが、このときの「菖蒲」はショウブと葉が似ているハナショウブのことを指すといわれている。
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菖蒲 |
しょうぶ
Sweet Calamus |
- アヤメ、アヤメグサという別名もある、池や小川に生える多年草。
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- 日本各地に生え、北半球に広く分布する。
- 太さ1〜2cmの地下茎が泥の中をはい、そこから高さ50〜90cmほどの広線形の葉を直立させる。
- 初夏に長さ5〜10cmで太さ1cm程度の肉穂花序を出し、淡い黄緑色の花を密につける。
- 花は花序の下から上への順で咲く。
- 花弁は長さ約1mm。
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- 香りの強い植物で、古くは胃薬にもされた。
- 5月の端午の節供に、風呂に入れて菖蒲湯にしたり、ヨモギといっしょに軒にさして魔よけとして使われた。
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燕子花
杜若 |
かきつばた
Iris |
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- 単子葉植物、アヤメ科の多年草。
- 日本各地の池沼や水辺の湿地や水中に生え、また観賞用に栽培もされる水生植物。
- 花茎の高さ50〜70cmになり、地下茎がある。
- 葉は剣状で幅広く、中脈がない。
- 5〜6月ごろ、花茎の先に直径12cmくらいの美しい濃紫色の花を開く。
- 品種は200〜300種ほどある。
- 見分けるポイント
- ハナショウブより小さく、アヤメとほぼ同じ大きさ(10cmほど)だが、花びらの付け根から白い筋が一つある。
- 花びらがアヤメに比べて細い。
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菖蒲 |
あやめ
Siberian Iris |
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- 北海道から九州までの山野の草地に生え、朝鮮半島、中国北東部、シベリアにも分布する。
- 高さ30〜60cm。
- 葉は細い剣状で、中脈は隆起せず、花より上にはのびない。
- 5〜6月、茎の先に青紫色の花を次々と開く。
- 品種は100種ほどある。
- アヤメは乾燥に強く、花壇などで育つ。
- 見分けるポイント
- 花びらの付け根から網目状の筋がある。
- 花びらは丸みがある。
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- サトイモ科ショウブ属のショウブも古くはアヤメと呼ばれ、「菖蒲」の漢字が当てられているので混同されることが多い。
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関連 |
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