ヘリコプター |
Helicopter |
- 空気より重い機体を空中に浮上させるための揚力を、飛行機のように固定翼からではなく、機体上に垂直にでた回転軸で回転させるローターから発生させる航空機。
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- 垂直上昇、垂直下降、空中静止(ホバリング)、前後、左右への飛行ができる。
- 空気より重い機体で垂直飛行に初めて成功したのはヘリコプターであり、同じようなオートジャイロと違うところは、ローターから揚力と推進力の両方を得ていること。
- エンジンは、ピストン式のガソリンエンジンのほかタービンエンジンも使われる。
- ヘリコプターのローターのブレード(羽根)は、2枚、3枚、4枚がふつうで、中央のハブから左右対称に突き出している。
- エンジンの回転数はローターの最適回転数よりかなり大きいため、効率的にローターを回転させる目的から減速ギアが使われる。
- ヘリコプターの設計の重要な特徴は、ローターが回転すると、機体をその反対回りに回転させようとする反作用トルクが生じるのを打ち消す対策である。
- もっとも多いのは、小型のプロペラを、ヘリコプターの尾部に垂直につけて、尾部を反対側に推す方法。
- 反対回りに回転するローターを2基つけて、互いのトルクを自動的に相殺(そうさい)させる方法もある。
- ほかにタンデム型と呼ばれるものは、機体の前後にほぼ同じ大きさのローターがついている。
- 各ブレードで発生する揚力の大きさは、ブレードが1回転する間に変化して、機体を傾けてしまう。
- この種の不安定を解消するため、ほとんどの単ローターヘリコプターには、ブレードが上下方向に動くフラッピングブレードがついている。
- ヘリコプターはローターを傾斜させれば、前後、左右のどの方向へも飛行できる。
- 方向転換には、まず曲がりたい方向へローターを傾け、さらに尾部のプロペラの推力を、機体を希望する方向へ回転させるように変える。
- 上昇、下降には、ローターの回転速度とローターブレードの角度のどちらか、または両方を増減する。
- エンジンが止まったときは、ローターはオートジャイロのローターのように自由回転し、安全に着地できるだけの揚力を保持しながら下降することができる。
- ヘリコプターが飛行機より優れている点は、低速飛行と空中静止ができること、滑走路のような設備がない狭い場所で離着陸できること。
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- 歴史
- 古代中国には飛びコマ、日本には竹トンボという手で回す玩具があり、急速に回転させると飛び上がる。
- 人間を乗せて飛行するヘリコプターの可能性を最初にイメージし、設計した模型で実験した人は、15世紀(日本-室町時代中期)のイタリアの画家、技術者、建築家であったレオナルド・ダ・ビンチだった。
- 彼は1500年ごろに螺旋型のローターをつけた飛行機の絵をかいている。
- ダビンチは人力でローターを回転させる計画だったが、その程度の力では、この型のヘリコプターを浮上させられない。
- 20世紀初め(日本-明治時代末期)に様々な人々がヘリコプターを実験した。
- 1936(昭和11)年、ドイツの技術者H.フォッケの設計により最初のヘリコプターが確実な成功をおさめた。
- 1939(昭和14)年、アメリカに帰化した航空機技師シコルスキーが、単ローターの実用機を飛行させた。
- 1942(昭和17)年、後継機が約1200kmのヘリコプターによる初のアメリカ横断に成功した。
- 1976(昭和51)年、1976年に、2機のシコルスキー機がニューヨークからパリまで、空中給油による大西洋横断飛行に成功した。
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