宗教 |
業 |
ごう |
- サンスクリットで「行為」「作用」を意味するカルマの漢訳語で、物事の原因となっている行為、または、ある特定の結果を導く行為やその行為に備わる力のことをいう。
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- インドでは古くから輪廻の思想と結びついて、善業を積んだ人間は来世において善人に、悪業を積んだ人間は悪人になると考えられていた。
- この考えはそのまま仏教にも受け継がれ、「善因善果、悪因悪果」の基本法則を輪廻思想に結びつけた教説は仏教教学の中心的課題となった。
- 現世における善や悪は、前世における善や悪の行為の結果であり、同様に、現世における善や悪の行為が、来世における善や悪を導くとされた。こうした三世(さんぜ)をこえてあらゆる物事の原因と結果を支配する行為が業と呼ばれる。
- 仏教の理想は、業を滅することで輪廻から脱すること、解脱することにある。
- それは、善業を積むことで悪業を滅し、来世におけるより良き生を得るために努力するべきであるというものだった。
- しかし、中国や日本では、前世における業に重点がおかれ、現世は前世の業によって定められており、いかに努力しても無駄なのだとする一種の宿命的罪業観が大きな影響をもった。
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- 転じて、一般の言葉としても、多少文学的ではあるが「人の力ではどうしようもない、心のはたらき」という意味で、「それは女の業だから」などと使う。
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2010.06.10 |