気象 |
エルニーニョ |
El Nino
(nの上に〜) |
- 熱帯域の太平洋に起こる大気海洋現象で、エルニーニョが発生すると、エクアドルやペルー(南アメリカ大陸北西)の西岸沖の水温が高くなり、さまざまな異常気象が発生する。
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- 「エルニーニョ」という言葉は、毎年12月になるとその地域にやってくるエルニーニョ海流という暖流の名前だった。
- 現在では、3〜7年に一度発生して、1年間以上持続する異常気象の名前として用いられる。
- 異常気象を起こす現象はエルニーニョ海流とまったく関係ないことがわかっている。
- 名の由来
- エルニーニョはスペイン語で「神の子」という意味。
- 暖流は通常、クリスマスの頃にやってくるので、海流をイエス・キリストになぞらえた。
- 南方振動との関連
- 気象学の分野では、熱帯域の太平洋の1年間の平均気圧が、西太平洋で高いときには東太平洋で低くなり、数年後にはその反対になるというように数年周期で振動する現象が知られており、南方振動と呼ばれていた。
- 現在では、この現象とエルニーニョが関連した現象であることがわかっており、エンソ(ENSO:El Nino(エルニーニョ) and Southern Oscillation(南方振動))ということもある。
- エルニーニョの影響
- エルニーニョが発生すると、いつもは雨がほとんど降らない地方に集中豪雨が発生したり、逆に、いつもは降水量の多い雨が降らなくなったりする。
- ペルーの沿岸部やエクアドルの沖合は、世界有数の漁場になっているため、エルニーニョによって漁獲が大幅に減り、経済に大きな影響を与える。
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- ラニーニャ
- エルニーニョは、気圧の南方振動と関係していることから、振動現象のひとつの側面である、と考えることができる。
- その振動の逆方向への振れになにか名前をつけたいということで、1980(昭和55-)年代にエルニーニョの研究者がラニーニャ(La nina=女子)という名前をつけた。
- エルニーニョがスペイン語で「男子」という意味であるから、対になる言葉を選んだ。
- エルニーニョでない状態は、従来、普通の状態として扱われてきたわけで、それに名前をつけたからといって異常気象が頻発するわけではない。
- エルニーニョの際には、はっきりした海面水温の異常が生じるが、その振幅にくらべると、ラニーニャの状態の海面水温の変化は小さい。
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2010.05.26 |