- 紀元前582年?〜紀元前500年?(日本-縄文時代後期)
- 最近は、数学者や哲学者ではなく、教団を率いた宗教的な存在という評価がかたまりつつある。
- 宗教・政治・哲学にまたがる独自の教えを説いて、自らの教団をつくりあげた。
- その中核にあったのは魂の不死と輪廻への信仰。
- 小犬がぶたれているところに通りかかったピタゴラスが、「やめろ、それは私の友人の魂だ」と叫んだという話が残っている。
- 彼は肉体を魂の墓とみなし、魂を解放する手段として様々な儀式を実践した。
- 教団では恭順と沈黙が重んじられ、断食や瞑想が励行された。
- 数の理論
- ピタゴラス教団は数学を幅ひろく研究したが、なかでも奇数と偶数、素数と平方数の研究が知られている。
- この算術的な視点から独特の数の考えが生まれた。
- それによると、数は宇宙におけるあらゆる比率、秩序、調和を生みだす原理になる。
- こうした研究によって、学問としての数学の基礎が築かれることになった。
- 幾何学の領域では、「直角三角形の斜辺の長さの2乗は他の2辺の長さの2乗の和に等しい」というピタゴラスの定理を発見した。
- 天文学
- ピタゴラス教団の天文学は、古代科学の中でとくに優れている。
- 地球はほかの天体とともに中心火のまわりを回転する球体であるという考えが初めて唱えられ、これが後にコペルニクスの地動説にヒントを与えた。
- こうした考えの背景にあったのは、すべてを含むたった一つの宇宙の中で物体が数学的法則に従って運動し、この運動が調和を生むという原理である。
- だからそれぞれの天体も、和音を生みだす弦の長さに対応する間隔で並んでおり、この天体の運行から音楽が、つまり「天体の調和」が生まれると考えた。
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