農山漁村の郷土料理百選候補一覧 群馬県
渋川市 水沢うどん
  • 坂東三十三ヶ所・十六番目の礼所である水沢寺は推古天皇の勅願により創建され、本尊の水沢観音はよく知られている。
    • その門前に十数軒ほどのうどん屋が水沢うどん四百年の歴史を守り続けている。
    • 上州は昔から小麦の産地で、上質な小麦粉を作り出してきた。
    • 麺はアメ色でコシがあり、しその葉、ごまなどの薬味とともに山うど、山蕗、山菜の天ぷらがうどんの風味をひきたる。
    • 冷たいうどんを考案したのは、実は水沢うどんが始まり。
館林市・邑楽町 小魚の甘露煮
  • 邑楽・館林地域は、大きな沼や川が点在しており、日常の食事に川魚料理が作られてきた。
    • 川魚の食べ方で最も代表的なのが甘露煮で、12月から3月初旬に保存食として作る。
館林市・邑楽町 すみつかれ
  • 二月の最初の午の日に、節分の残り豆を利用して作る。
    • 大根と人参は、鬼おろしですりおろし、鮭の頭や油揚げなどと煮込む。
富岡市 宮崎菜の漬物
  • 宮崎菜を富岡市宮崎地区以外で栽培すると、アクが強くなりすぎ食べられないが、不思議に宮崎地区で作ることにより、アクがちょうどよい渋みになり、古くから家庭の味として親しまれてきた。
    • 主に漬物、おひたし、ごま和えにして食べる。
富岡市・甘楽町・下仁田町・妙義町・南牧村 下仁田ねぎコロッケ
  • コロッケに、甘楽富岡地区で多く生産されている、下仁田ねぎを入れたもの。
富岡市・甘楽町・下仁田町・妙義町・南牧村 舞茸ご飯(給食用)
  • 高級食材の舞茸は甘楽富岡地区の特産物であり、秋から冬の舞茸が旬の季節に、舞茸ご飯が給食で提供される。
    • 舞茸には、現代の子ども達に不足しがちな繊維質が多く含まれており、少し薄味に仕上げることにより、子ども達に喜んで食べられている。
沼田市 みそパン
  • 沼田市の名物となっているみそパン。特製フランスパンに挟まれたみその風味は、一度食べらたら忘れられない。
みなかみ町 かみなり重
  • ナマズの天重で、奥平温泉「遊神の湯」にて提供されている。
あんびんもち
  • つきたてのお餅に、あんこを入れて包み込んで作る。一般的には大福といわれている。
おっきりこみ<百選>
  • 手打ちの太麺を、野菜のたっぷり入った汁に入れて煮込み、煮ている間に溶け出したとろみが、お切り込み独特に味を出している。
    • 群馬は昔から小麦の産地と有名で、地粉(じごな)と呼ばれる土地産の小麦粉がこのおいしいうどんを支えていた。
やきもち(おやき)
  • 小麦粉とみそ、きざんだ野菜などを入れて焼いて食べる。野菜には、ねぎやしそ、ふきのとうなど家庭にあるものを入れる。
鏑汁(かぶらじる)
  • 地元特産のこんにゃく、ねぎ、しいたけ、里芋等の季節の野菜をたくさん入れた汁に、日本一のぐんまの繭をイメージした白玉粉を繭形のだんごにして浮かせたもの。
    • 「鏑」は、荒船山に源を発した、主に富岡市と甘楽郡を流れ、地域の誰からも親しまれている鏑川から取られた。
釜めし
  • 買ったばかりではほっかほかですが、冷めてもとても美味しい。
    • 釜飯人気に便乗して釜飯君ストラップやボールペン、小釜飯の器に漬け物やアイスの入ったものが売っている。
けんちん汁
  • 崩した豆腐と大根、人参、ゴボウ、里芋、こんにゃくなどを油で炒め、醤油で味を調えたすまし汁。
    • 農家では家屋敷を守ってくれるお稲荷様に、えびす講やお祭りの時などにけんちん汁を作って捧げる慣習が今でも残っている。
こしね汁
  • 地元特産のこんにゃく、しいたけ、ねぎの頭文字を取り「こしね汁」と名付けられている。
    • 隠し味に豚肉や油揚げなどを入れてコクを出し、食べやすく栄養価の高いものとなっている。
    • 地元野菜をふんだんに使用し、野菜嫌いの子どもも野菜が多く摂取できる、具だくさんの「食べるみそ汁」。
こしね汁(給食用)
  • こんにゃくやしいたけ、ねぎなどは、子ども達が苦手な食材のひとつだが、切り方の工夫、夏は白味噌、冬は赤味噌と味付けにも変化をつけることにより、給食人気メニューベスト5に入るほどとなった。
コンニャク料理
  • 「からっ風とかかあ天下と上州こんにゃく」といわれる程、下仁田のこんにゃく料理は有名。
    • ひっぱたきと呼ばれるこんにゃくのみそ田楽もあり、ゆでたこんにゃくを布巾にたたきつけて水切りしたところからその名がついた。
    • こんにゃくは、96%が水分で、炭水課物と食物繊維を含む、低カロリー食品なので美容食にも適している。
乾燥芋(さつま芋の切干)
  • 冬のおやつの定番で、冬は使わない養蚕籠などを利用し、さつま芋の切干を作っていた。
    • 調味料などは一切使わず、蒸した芋を日にあてて干すだけだが、飴色になり、和菓子のような風格さえ感じらる。日が経つと、白い粉をふき、さらに甘みが増して格別の味になる。
しし鍋
  • 地元産の人参やねぎ、春菊、しいたけなどを入れ、しし肉を入れてみそ味で煮込み食べる。
    • 最後にうどんを入れて食べると、一つの鍋で2回楽しめる。
白和え
  • 具材はつくるたび、季節により異なり、夏にはしらたき、秋には柿、冬には干し柿などを入れる。
    • 胡麻をよく炒ってからすり、豆腐を入れて、しょうゆ、砂糖、塩で味を調え、調理した具材を入れて和える。
ヨーグルト
  • 新鮮な牛乳で作られた、ヘルシーな「のむヨーグルト」。
すいとん(だんご汁)
  • 寒い時に食すことにより、体の中から温まる汁物。
    • 大根、人参、白菜、ねぎ、豚肉、油揚げなどを入れ、練った小麦をちぎり入れて、しょうゆで味を調える。
手作りうどん・そば
  • うどんを各家庭で打って胡麻や天ぷら等を添えて食べる。
    • また、県内各地でそばが生産されており、多くの家庭で食されている。近年では、そば打ちを体験できる施設も多くでき、誰でも手軽に体験できるようになった。
ねぎぬた
  • 甘楽富岡地区では、下仁田ねぎが古くから生産されており、各家庭ごとに工夫した食材を和えて作っている。
    • 下仁田ねぎをぶつ切りにして茹でて、白味噌、砂糖、酢、溶き辛子で和えて、生イカやマグロなどとまぜあわせる。
のっぺい汁
  • 昔、秋の実りに感謝して行われる神社の秋祭りの日に、お赤飯、お煮しめとのっぺい汁を作ることが定番で、旬の野菜を自分で作って食べることが、ごちそうであり楽しみであった。
    • 具には、里芋、大根、にんじん、ごぼう、しいたけ、こんにゃくなどを入れ、しょうゆで味を調える。
花インゲンの煮豆
  • 花インゲンは、標高900〜1,300mの地域でしか栽培できない大粒な豆で、甘納豆やおこわなどに料理する。
    • じっくり煮込んだ煮豆は美味しく、西吾妻・片品地域では正月料理にかかせない。
炭酸まんじゅう
  • 県内産小麦を使い、多くの家庭で作られている。
    • また、お客様がきたときのおみやげにしたり、近所の人とのお茶飲み時のおつまみになったりしている。
焼きまんじゅう
  • 味噌ダレ付きの串焼きまんじゅう(一部では味噌焼きまんじゅうという)。
    • 小麦粉に濁酒を入れて、その麹より発酵させた生地を団子状にして串に刺し、甘い味噌ダレをつけて強い炭火で焼く。
ゆべし
  • 昔、武将・武田信玄がいくさに向かう折、保存食として袋に入れて持っていたものを、信玄が休んだ場所に忘れていったのを村人が見つけ、その村人が工夫して「ゆべし」を作ったといわれている。
    • 黒砂糖を溶かし、ゆずの皮やクルミを入れ、強力粉と薄力粉でこね合わせて蒸して作る。
  • 百選に選定されたもう一つの料理は、候補にない「生芋こんにゃく料理」
  • 「農山漁村の郷土料理百選」から作成(2010.04)