姥捨山 うばすてやま/おばすてやま
  • 老人を山に捨てるという筋の昔話。
    • 棄老伝説ともいう。
  • 話の筋によって4つに分類できる。
    • 難題型
      • 親を捨てられずに、自宅の床下に隠すというもの。
      • 隣国から難題を出された殿様が、御触れにより老人から知恵を授けられ無事解決、喜んだ殿様は以後、老人を捨てることを禁止したというもの。
      • 御触れ(おふれ):昔、役所から出された一般国民への命令。
        • 掲示板などに書かれる。
    • 親捨て畚型
      • 自分の子供を連れながら、畚(もっこ・網で編んだ袋)に親を入れてかつぎ、畚ごと親を置いていく。
      • ところが、連れてきた子供がその畚を持ち帰ろうとする。その理由を子供に聞くと、いつか自分の親を捨てに行く時に使うのだという。自分の将来を思い知り、捨てた親を連れ帰るというもの。
    • 枝折り型
      • 親を背負って捨てに行く途中、後ろで枝を折る音が聞こえる。
      • 理由を親に尋ねると、我が子が帰り道に迷わぬよう、枝を折って目印にしているという。その親の思いに感動して捨てずに帰るというもの。
    • 福運型
      • 嫁姑の仲が悪く、嫁は姑を焼き殺そうとするが姑は危うく山に逃れる。
      • そこで鬼に出会い打ち出の小槌をもらう。
      • それによって財宝を得て、裕福に暮らす。
      • 嫁はそのことを知り、同じように真似るが焼かれて死んでしまう、というもの。
  • 姥捨山の話は、古くから存在し、「枕草子」、「今昔物語」にも出てくる。
  • 姥捨山は現、長野県千曲市の冠着山(かむりきやま)である。
  • 「難題型」、「福運型」は奈良時代にインドから、「親捨て畚型」は中国から伝わったといわれる。
  • 歴史上、老いた親を捨てたという事実は、実際には世界的にみても確認されておらず、「老人を大切にしよう」というための教訓話だと考えられるという。
  • 参考:エンカルタ2005
2010.07.26

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