- 非常に強い痛みを伴う。
- 名の由来は、痛みが風のように強くなったり弱くなったりする様から、とか、風が吹いただけで痛いから、など、いくつかの説がある。
- 発症のプロセス
- ヒトの細胞には核酸を成分とする遺伝子がある。
- 核酸にはプリン体という物質が含まれており、プリン体が分解されると尿酸ができる。
- ヒトの体では、毎日新しい細胞が生まれて古い細胞と交替するが、死んだ古い細胞はかすとなり、血液の中に運ばれるが、このかすが尿酸。
- 尿酸は、非常に溶けにくい物質だが、血液中ではよく溶ける。
- しかし、様々な原因で尿酸が大量に作られてしまうことがある。
- すると、尿酸は血液の中に析出してきて、やがて尿酸塩という結晶に変わり、血液といっしょに体じゅうをまわるようになる。
- そして足の親指の付け根の関節や、手足の関節などに沈着し炎症を起こす。
- 痛みは季節や気候には関係なく突然起こり、関節が赤く腫(は)れて、熱をもった痛みを伴う。
- この症状は数日から10日ほど続くが、その後自然に消える。
- しかし治ったわけではなく、そのまま治療しないでいると、結節性痛風といって、尿酸塩が白い結晶となって関節や耳朶(じだ)(耳たぶ)の軟骨にたまり、関節が瘤(こぶ)のように腫(は)れて激しく痛むようになる。
- さらに、増えた尿酸は腎臓や尿道にもたまり、痛風腎という腎障害を起こしたり、尿酸塩のかたい結晶となって腎臓結石や尿路結石をつくったりする。
- 予防・治療
- 尿酸のもととなるプリン体は、卵や肉、ビールなどの食品に多く含まれているため、これらの食品を採りすぎないようにする。
- 食事はなるべくタンパク質の少ないものにして、水を多めに採り尿酸がたまらないようにする。
- 治療は薬物療法が中心で、痛みの発作にはコルヒチンやインドメタシンを使う。
- 痛風は男性に圧倒的に多い。
- 40歳以上の男性では、10人に1人の割合で尿酸値が高いといわれる。
- 患者の10〜20%で、家族に痛風患者がみられる。
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