- のちには温泉宿に滞在して自炊しながら保養することをいう。
- 日本では温泉発見の由来や伝説には、傷ついた動物に教えられたとか、仏の霊顕(れいげん)や高僧に結び付けたものが多く、もっぱら薬効が重んじられた。
- 温泉を近くにもつ農村などでは、農閑期に家族を連れ、自炊しながら、長期滞在して骨休めをしたものであり、そういう温泉地を湯治場と呼んでいた。
- 太平洋戦争の前後までは、電灯も通じていない山間(やまあい)のランプの湯宿が多くあった。
- 湯治場の宿は長屋のような構造で、食料や自炊道具までも持って行く人があり、蒲団(ふとん)1枚、毛布1枚などそれぞれに借り賃が定められて、全体として安価に滞在することができた。
- 経済の高度成長以後、温泉は遊興・観光の場の色合いを強め、湯治の宿は激減した。
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