住宅
たたみ
  • 日本住宅の和室に用いられる床材。
  • 乾燥させた稲わらを麻糸で縫いかためた畳床(たたみどこ)の上に、イグサを編んだ畳表(たたみおもて)を縫いつけ、その長辺を布の縁(へり)でくるんで作る。
  • 大きさ
    • 畳1枚の大きさは、1.8m ×0.9m程度だが、地域によって差があり、関西の京間(きょうま)は長辺でこれより10cmほど長く、関東の田舎間(いなかま)は6cmほど短い。
    • 最近のマンションの和室では部屋の大きさに合わせて畳を作るため、団地間などといって、さらに小さい畳も製作されている。
    • このほか、4畳半の部屋に畳を敷きつめるために半畳の畳があり、茶室では台目畳(だいめたたみ)といって4分の3畳の大きさの畳が使われたりする。
  • 歴史
    • 平安時代にはすでに用いられていた。
      • 古代の畳は、板敷の床の座る場所や寝る場所にだけ敷くもので、床材というよりは座具、寝具の一つだった。
      • 畳の縁の模様や色によって、利用する人の身分がわかるようになっていた。
        • 天皇や皇后は繧繝縁(うんげんべり)といって、赤、黄、青、緑などの色縞の錦を縁に用い、大臣は菊の花や雲の模様を織った大紋の高麗縁(こうらいべり)、公卿の畳には小紋の高麗縁を使った。
        • 模様の無い紫縁は五位以上の座に、黄縁は六位の座に使用された。
      • 源氏物語絵巻」など平安時代末の絵巻物には、畳を敷きつめた部屋が描写されているので、このころには一部の部屋で常設的に畳をしくようになっていたと思われる。
    • 中世(鎌倉・室町時代)武家住宅や寺院では、人が座る部屋の周縁部にだけ畳を敷いて、中央を板敷のままにしておくのが普通で、これを追い回しと呼んだ。
      • 15世紀の末(戦国時代前期)足利義政が建築した銀閣寺(京都府京都市左京区)の東求堂(とうぐどう)では、仏間以外の3室は畳敷きで、建具の敷居を畳の厚さ分高くして、畳による段差ができないようにした工夫もみられ、武家住宅でも畳敷きの部屋が広まっていたと考えられる。
    • 江戸時代に入ると、畳は庶民の住宅にも普及し、当初は武家住宅の伝統を継承する座敷に取り入れられたが、のちに寝室や囲炉裏のある居間にも敷かれるようになった。
    • 現代では、椅子やベッドの普及によって畳敷きの部屋はしだいに減少している。
      • 客間などに利用できる和室に対する需要はなお根強く、畳敷の部屋が消滅することはないと思われる。
      • 近年は樹脂製の畳床や畳表も登場、とくに樹脂製の畳床は従来の稲わら製のものをしのいで畳床の主流となっている。
  • 参考:エンカルタ2007
関連HP
全国畳産業振興会
2010.07.17

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