- 成年式とも呼ばれ、通過儀礼の重要なもののひとつ。
- 古代の貴族や中世〜近世の武士の間で行われた元服がよく知られているが、階層、地域、性別によって様々な儀礼がある。
- 戦後、国民の祝日として定められた「成人の日」もこの伝統をひく。
- 現在では、満20歳が成人年齢とされるが、伝統的な年齢は、13〜18歳が多く、心身の成長に応じて必ずしも一定ではなかった。
- 儀礼には、前髪を剃(そ)る、烏帽子(えぼし)をかぶる、褌(ふんどし)や腰巻をつける、着物の形を変えるなど、姿、形を改めるもの、登山をして山頂の神社に詣(もう)でるなど、特定の場所で、精神的・肉体的な試練を与えられるものがある。
- 後者には、試練を経て、新しく生まれかわるという意味がある。
- 仮の親をたてて縁組をし、新しい名前を受ける名替え(ながえ)の習俗も、同様の意味をもつ。
- 成人式をもって、若者組などの集団に加入する日としたり、農作業などが一人前にできるかどうかその能力を試(ため)すこともあった。
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