- 変形菌
- 変形菌門の仲間は、森の中の湿った腐食しかけた落ち葉や枯れ木にみられる。
- 子実体の大きさや形によって約500種に分けられる。
- 土が湿っているか乾いているかによって、細胞は鞭毛を持つかアメーバ状かに発達する。
- 有性生殖によって繁殖し、受精後、核は分裂するが細胞内に隔壁はできず、複数の核をもった変形体とよばれる原形質のかたまりとなる。
- 変形体はしばしばオレンジ色をした、粘液のような光り輝く大きなかたまりに成長し、腐った木や腐植土の表面をゆっくりと移動する。
- ふつうバクテリアなどを餌としてとり込む。
- 食物が少なくなり、外部の温度と湿度が適切な場合には、変形体は数時間で子実体と胞子嚢(のう)に変わる。
- この分化の最終段階で胞子が作られる。
- 放出された胞子が発芽すると、それぞれが配偶子を遊離させる。
- 細胞粘菌
- 細胞粘菌はたいてい変形菌より小さく、種の数も少なく約50種。
- 細胞は常にアメーバ状で、多核ではなく、変形体を作ることはない。
- 細胞粘菌は土壌にすむアメーバの大部分を占め、それぞれ単独でバクテリアを食べて生きている。
- ひとつの場所で食物を食べつくしてしまうと子実体を形成するが、その方法は変形菌とはまったく異なる。
- 餌が不足すると、アメーバはそれ自身が分泌するアクラシンと呼ばれる化学物質にひきつけられて中央の集合場所に集まり、多細胞の組織体を形成する。
- この組織体は小型の「なめくじ」状態で、体の前後が決まっていて、光のさす方へ、また好む温度の方向へ移動する。
- 休眠地点にくると、先頭のアメーバは繊細な茎を作り始め、後尾のほうのアメーバは胞子となり、新しくできた茎の頂端にボールのようなかたまりを作る。
- これは無性生殖だが、細胞粘菌は有性生殖も行う。
- 有性細胞(それぞれのアメーバ)が融合して、大包嚢と呼ばれるものとなり、これが発芽すると無性生殖を続けることのできる新しい細胞が誕生する。
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