- 高品質テレビは国際的にはHDTV(high definition TV)すなわち高精細度テレビ、あるいはATV(Advanced TV)すなわち次世代テレビなどといわれている。
- 日本のハイビジョンではテレビ画面を構成する走査線を旧来テレビの525本に対し約2倍の1125本として画面の密度をあげ、画像の精度を高めている。
- また、旧来テレビ画面の横縦比が4対3から16対9と映画館のスクリーンなみに横長になっている。
- 音声はPCM(パルス符号変調による伝送方式)で、音楽用CD並みの高音質。
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高精細度テレビ開発は日本が先行し、欧米がこれを追う立場となり、当初は日本の規格を中心に国際的な規格統一が可能かとも思われたが、複雑な国際情勢を反映して、その後その可能性は無くなり、ハイビジョンは日本独自のHDTVの規格として残ることとなった。
- ハイビジョンは衛星放送を前提として開発されたものであるが、画像処理の技術としての応用範囲はきわめて広く、パッケージソフト、映画製作、印刷・出版、興行・展示、美術館などでの映像データベース、医療などの分野で応用技術の開発が活発に進められた。
- 歴史
- 1964(昭和39)年、開発開始。
- 1989(平成元)年、NHKが衛星放送を利用したアナログハイビジョン放送(1日1時間の定時実験放送)を開始。
- 1994(平成6)年、NHKと主要民間放送局による実用化試験放送が始まる。
- 2000(平成12)年、BSデジタル放送開始。
- 2003(平成15)年、一部の地域で地上デジタルテレビジョン放送開始。
- 2004(平成16)年、ハイビジョン規格の家庭用ビデオカメラ登場。
- 2006(平成18)年末、デジタルハイビジョン放送開始。
- 2007年(平成19)、伝送路にアナログ技術を採用しているハイビジョン放送が終了。
- 2011(平成23)年、旧来のアナログテレビ放送終了、地上デジタルテレビ放送に完全移行(一部例外を除く)。
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