地質時代 |
第四紀 |
だいよんき
Quaternary Period |
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- 約164万年前から現在までを指す。
- 本来は人類の出現以降を区分する予定で考えられた地質年代だったが、人類の発生について研究が進み、類人猿と人類が分岐したのはさらに古い時代と考えられるようになり、現在では人類の誕生とは別に地質年代の区分として使われる。
- 第四紀は別名で氷河期と呼ばれる更新世(約164万年前〜1万年前まで)と、後氷期とも呼ばれる完新世(約1万年前から)とに分けられる。
- 日本では更新世を洪積世(こうせきせい)、完新世を沖積世(ちゅうせきせい)と呼ぶこともあった。
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- 更新世(氷河期)には、海陸の分布はほぼ現在と同じになったが、陸地の4分の1は氷河で覆われていた。
- 更新世の氷河の痕跡が、世界の各地に残っている。
- アメリカの五大湖は氷河作用が作った湖であり、グレートソルト湖(ユタ州の塩水湖)などは氷床の発達と後退によってつくられた湖の名残である。
- 日本の浜名湖(静岡県浜松市・湖西市(こせいし))も氷河に浸食された谷に、間氷期になって海水が流入し、古浜名湾が形成された。
- 日本アルプスや北海道日高山脈には氷河が発達していた証拠として、浸食谷が残っている。
- 第四紀には、日本列島で激しい地殻変動が起こった。
- 現在の山脈、盆地、火山、海底地形などは、ほとんどが第四紀にあった変動の影響を大きく受けている。
- 現在から、約2万年前の最終氷期の最寒期には、海面は全世界で120m以上も低下しており、日本列島も、津軽海峡(北海道南端・青森県)の一部、宗谷海峡(北海道北端・カラフト)、瀬戸内海の大部分などが陸続きで、アジア大陸ともつながり、現在の日本海は、ほとんど塩湖だったと推定されている。
- このとき、多くの動物が渡来し、日本の生物相に大きな影響を与えた。
- 約1万年前からの完新世になって、平均気温が高くなり、海面が上昇し、現在の海陸分布ができあがった。
- 氷床に覆われていない地域にいた動物と植物は、鮮新世の初期の生物とほとんど変わっていなかった。
- しかし更新世の終わりには、北アメリカでリャマ、ラクダ、バク、ウマ、ヤクなど多くの動物が絶滅した。
- ほかにもマストドンやサーベルタイガー、マンモスなどが全世界で絶滅した。
- 氷雪が高緯度で積もる間、低緯度では雨量が多くなり、北東アフリカでは生物が増え、やがて乾燥化し、荒れ地となった。
- 更新世の後期からサハラ地域ではキリンなどの草食性の動物が繁栄した。
- 更新世は、初期の人類が進化したと考えられているため、人類の時代であるともいわれている。
- 人類がシベリアに到達し、やがて氷河期には陸続きだったベーリング海峡(アメリカ・アラスカ-ロシア・シベリア)から北アメリカに到達したのが3万年前ぐらいと考えられている。
- 第四紀の最後の氷期はウルム氷期といい、約1万年前まで続いた。
- その期間は広大な氷河が陸地を覆っていた。
- 北アメリカに到達した人類も、南北3500km東西4400kmに及んだローレンタイド氷床に阻(はば)まれ、先に行けなかった。
- ウルム氷期が終了すると、人類はアメリカ大陸の南へと拡散していく。
- 現在のところ遺跡の調査やDNAの研究から、ローレンタイド氷床を突破した人類が南アメリカの南端に達するまでは、短期間でほぼ1000年だったと推定されている。
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■第四紀の地層から発見されたアキシマクジラ・・・昭島市役所(東京都昭島市)
2011/4/27 |
2011.06.23 |
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