不定時法 |
ふていじほう |
- 現在の1日を12等分する定時法に対し、日の出、日の入りの間を6等分する時刻の割り振り方。
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- 日の出入りを基準にしているため、昼夜、季節によって一つの時刻(一時(いっとき))の長さが変わった。
- 日本においては、中国から時刻の考え方が導入された時は定時法だったが、室町時代頃から不定時法になり、1872(明治5)年まで使われた。
- 江戸時代には、不定時法に対応する和時計が作られた。
- 針の進む速さを昼と夜で自動的に変えたり、文字盤を入れ替えるという驚異的な技術が開発された。
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- 夜明けを「明け六つ」(あけむっつ)、日暮れを「暮れ六つ」(くれむっつ)として、その間の昼と夜をそれぞれ6等分して五つ、四つ、九つ、八つ、七つとしていた。
- 1日を12等分した時刻に十二支を当てて呼んだ。
- 午前11時頃から午後1時頃までの約2時間は「午(うま)の時」とか「午の刻」といった。
- 「午の時」を4等分して「午の一刻(午一つ)」、「午の二刻(午二つ)」、「午の三刻(午三つ)」などといった。
- この十二支は方位を表すのにも使われ、酉(とり)は時刻では「暮れ六つ」、方位では西を表した。
- 辰巳(巽とも書く)(たつみ)は南東、未申(坤とも書く)(ひつじさる)は南西、丑寅(艮とも書く)(うしとら)は北東。
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- 現代に残る不定時法のなごり
- 正午・午前・午後
- 現代の12時の頃を、当時は「午(うま)の正刻」と呼んでいたことによる。
- おやつ
- 江戸時代に現在の午後3時頃に間食をとる習慣が始まり、時刻の「昼八つ」「八つ時」から、間食を表す「おやつ」という言葉が生まれた。
- 丑三つ時(うしみつどき)
- 午前3時から3時半頃で、落語や講談などで怪談を語るとき、「草木も眠る丑三つ時・・・」というのが常套句になっている。
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関連HP |
お江戸の科学(学研)
・・・不定時法 |
2010.2.21 |