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        エコロジーともいう。
        物理的環境とは、光や熱あるいは太陽から放射されるエネルギー、水分、風、酸素、二酸化炭素、土壌中の栄養、水、大気などのこと。
        生物的環境は、同種の有機体や他の動植物などで構成されている。
        生物をその環境の中で研究するには様々な取り組み方が必要なため、生態学は気象学、水文学(すいもんがく)、海洋地理学、物理学、化学、地質学、土壌分析などの分野を視野に収めている。
        
          有機体どうしの関係を調べるために、動物行動学、分類学、生理学、さらには数学といった学問の助けもかりる。
        環境問題に対する一般の意識が高まったために、エコロジーという言葉はふつうに聞かれるようになったが、誤って用いられることが多い。
        エコロジーは環境保護計画や環境科学と混同されがち。
        
          環境問題の研究と理解に貢献しているのはもちろんのことであるが、生態学は個別の学問分野である。
        エコロジーecologyという言葉が初めて使われたのは、1869(明治2)年、ドイツの生物学者ヘッケル(1834(日本-江戸時代後期)-1919(大正8)年)による。
        
          この言葉はギリシャ語の家計を意味するoikosからきており、経済economicsと同じ語源をもつ。
          エコロジーという言葉には自然の経済の学問という意味が含まれている。
        近代生態学の端緒は、イギリスの博物学者ダーウィンによって拓(ひら)かれたといえる。
        
          進化論を展開するときに、ダーウィンは自然選択による生物の環境への適応を強調している。
          ドイツ(プロイセン)のアレクサンダー・フォン・フンボルト(1769(日本-江戸時代中期)〜1859(幕末))といった博物学者も重要な貢献をしている。
          
            フンボルトは、植生が「なぜ」「どのように」地球上で分布しているのかに深く興味をもった。
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