- 撚(よ)りをかけない生糸を経(たて)糸に用い、平均1mにつき約3千回転ぐらいの撚りをかけた強撚糸の生糸を緯(よこ)糸に用いて、右撚りと左撚りとを交互に打ち込んで平織に織りあげる。
- その後、織りあげた布を苛性ソーダなどのアルカリ性熱溶液の中で、生糸の表面の不純物を取り除く精練作業を行う。
- すると不純物がとれて美しくなると同時に、緯糸の強い撚りが戻ろうとする力が生じて布面が縮み、縦方向にしぼ(しわ)ができる。
- これが「縮緬しぼ」と呼ばれる布面の凹凸で、独特の風合いとなる。
- このようなしぼができるのは、生糸だけにある特徴。
- 天正年間(1573〜92)(安土桃山時代)、中国の明の職工が泉州(大阪府)の堺で技法を伝え、その後、京都の西陣へ伝わったという。
- 丹後(たんご)へは、享保(きょうほう)年間(1716〜36)のころ(江戸時代中期)に西陣から導入され、その後、さらに江州の長浜へ伝えられた。
- 現在、丹後と長浜が2大産地である。
- 縮緬は、布面のしぼの凹凸により、光線が乱反射し、上品な輝きが生まれ、ドレープ性(優雅にたれさがる性質)に富んでいるため、昔から振袖や留袖、訪問着といった礼装や略礼装の着物に用いられてきた。
- 現在では、こうした縮緬の特性を洋装にも生かし、パーティドレスなどにも活用されている。
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