- 全長約57cm。
- ハシブト、ハシボソともに全身真っ黒で、ふつう両者を区別せずにカラスと呼ぶことが多いが、ハシブトガラスとハシボソガラスの名は、江戸時代にすでに使われていた。
- ハシブトガラスのほうがやや大きく、嘴(くちばし)がより太い。
- 三十数種類の様々な声を出すが、澄んだ「カアーカアー」という声がもっとも特徴的。
- ハシボソガラスの方が、濁った「ガァガァ」と聞こえる声で鳴く。
- 一般に農耕地にはハシボソガラスが多く見られ、都市部や漁港などではハシブトガラスのほうが多い。
- ハシブトガラスは、極東ロシア近辺から東南アジア、インド、アフガニスタンにかけて分布し、日本でも全国に分布している。
- 留鳥(りゅうちょう)だが、寒地のものは、やや暖地に移ることがある。
- 本来の生息環境は森林と海岸と思われ、富士山麓の原生林にも少数が生息している。
- 日本では残飯などのゴミを頼って都会にも多くすむが、近年は観光客の出すゴミにより、高山や原生林などにも生息するようになっている。
- 食性は雑食性で、木の実や動物の死体、鳥の卵や雛(ひな)など、様々な物を食べる。
- 1980年代後半(昭和60-)から、東京では民家の軒先に営巣しているツバメの巣を襲い、卵や雛をとるようになり、ツバメが減少する一因となっている。
- それまでは、巣まで襲うことはせず、巣立ち直後のツバメが電線にとまっているところを襲っていた。
- ツバメ以外の鳥を襲うケースも増えている。
- 秋から冬にかけて大群の集団塒(ねぐら)をつくる。
- 塒にあつまる数は数百羽、ときには数千羽になることがある。
- 都会では、とくに大木の多い公園や社寺などが使われることが多い。
- 近年、東京などの都市部で個体数が増えている。
- その原因は、家庭やレストランから出る台所ゴミの収集場所で食物を入手しやすいことや、都会に巣をつくっても天敵がいないことなどが考えられている。
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