水運儀象台
すいうんぎしょうだい
写真1
概要
  • 中国の北宋時代(1092年)(日本-平安時代中期)に、河南省の首都、開封に作られた水力で動く天文観測時計塔
  • 宋の滅亡とともに破壊され現存していない。
  • 設計書に相当する「新儀象法要」が残されていたため、それに基づいて4年がかりで解析し復元された。
  • 高さ12m。
■昼夜機輪(木閣内)
time-annunciator wheels

  • 5層の輪の上に乗った人形が持つ札により時刻を表す。
  • 鐘や太鼓など5種類の楽器で人形が時報を打つ。
写真2:木閣(もっかく)
wooden pagoda facade
  • 正面の外から見えるところが時刻を表している。
■天衡(てんこう/脱進機)
celestial balance
  • 溜まった水の重さを比較して、自動で回転を止めたり進めたりして、枢輪を一定の回転速度にする脱進機である。
  • これはヨーロッパで13世紀後半に発明された、てんぷ式の脱進機に先駆けること200年前である。
■汲み上げ
  • 人力により水を汲み上げる。

写真1

写真2

■時の科学館の2階から見た儀象台

■枢輪(すうりん/定回転水車)
time-keeping waterwheel
  • 汲み上げられた水が水槽にたまり、オーバーフローで一定の水がこの枢輪に落ち回転する。
■渾象
  • 表面に1464個の星が示されている天球儀。
  • 水力により回転し、同時刻の天空の星の位置と一致する。
  • 渾象の星と渾儀で観測した星と照らし合わせ、渾象の方に該当する星がない場合は、すなわち新しい星の発見だとわかる。
写真1:渾儀
  • レンズのない時代に両端に小さい穴を開けた長い筒を使って天体を観測した。
  • 筒はどの方向にも向けることができ、水力で天空と同じ速さで回転できるため、一つの星を連続して観測することができた。
  • これにより24節気や1日の正午を決めた。