- 2005(平成17)年に制定され、翌2006(平成18)年に施行された会社法に伴って有限会社法は廃止され、有限会社の設立は認められなくなった。
- 有限会社の社員の数は50名を超えることはできず、社員は出資口数に応じて持分を持ち、原則として出資1口につき1個の議決権を持つ。
- ここでいう社員は従業員ではなく、株式会社の株主に当たる。
- 出資1口の金額は均一で、その額は5万円以上でなければならず、また、資本金の額は300万円以上であることを要した。
- 諸外国と比較すれば、日本の有限会社はドイツやフランスの有限責任会社、イギリスの私会社(プライベート・カンパニー)、アメリカの閉鎖会社に対応する。
- 有限会社の社員の責任は、自分が出資した額以上の責任を負う必要のない間接有限責任で、株式会社のように物的会社(社員の個性は重視されず、会社の財産に重点があり、資本的結合としての性格が強い会社)の色彩がある反面、社員の持分の譲渡については、社員以外の者に譲渡する場合は社員総会の承認を得なければならないなどの制限があることから、合名会社のように人的会社(会社の人的要素すなわち社員の個性が重視される会社)の色彩も持つ。
- 有限会社は、物的会社に人的会社の特徴が加味された折衷(せっちゅう)形態といえる。
- 有限会社の法規制は、簡単にいえば、株式会社の法規制を緩和したもの。
- これは、株式会社法の適用を予定されているのは大規模公開会社であるのに対し、有限会社は小規模閉鎖(非公開)会社を予定した会社形態であるため、大規模会社を規制する複雑かつ厳格な株式会社の法規制を緩和した法律を適用することで、小規模閉鎖会社の経営活動を保護・規制していこうとするものであった。
- 有限会社法は廃止され、新設された会社法によって、有限会社形態を株式会社形態に統合するとともに、従来の有限会社の組織設計を包み込む形で株式会社の組織設計が再構成された。
- また、従来の有限会社に近い形態として合同会社形態が新設された。
- 新たに有限会社をつくることはできなくなったが、既存の有限会社は会社法上の「特例有限会社」となり、株式会社に変更するか、そのまま存続するかを選択できるようにした。
|