凧 |
たこ
Kite |
- 木や竹などを組んで骨とし、これに紙、布、ビニルなどを張り、表面に受ける風の力を利用して空中に揚げる遊具。
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- 長い糸がついており、その距離や高さは、糸の長さを変えることによって調節する。
- 凧の形は元来、翼を模したもので、遊びや研究目的で使われる。
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- 凧のルーツは中国とされるが、ヨーロッパやアジア諸国でも古くから作られ、宗教的な占いや軍事などに利用されていた。
- 現代では、凧揚げは娯楽や競技として人気を集めている。
- 日本や中国など東アジアでは凧の競技会が数多く開催され、鳥、魚、竜など趣向を凝らしたデザインや彩色を施(ほどこ)した凧が競い合う。
- 中には、笛やパイプを装着し、あがると音を発する凧もある。
- また、空高くあげた凧どうしを闘わせて、敵を落とす凧合戦も各地で行われている。
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- 研究・軍事目的
- アメリカの外交官で科学者でもあったベンジャミン・フランクリンは、凧を使って大気中の電気を調べる実験を行った。
- アメリカの物理学者で発明家のアレクサンダー・グレハム・ベルも凧を研究に利用している。
- 1890(明治23-)年代初頭から約40年に渡り、複数の箱形の枠をつないだボックスカイト(箱形凧)が気象観測に利用され、上空の風速、気温、気圧、湿度を測定した。
- 軍事面でも、19世紀後半(日本-明治時代)から20世紀にかけて、敵軍の動向を監視できる高さまで偵察隊を吊り上げるのに凧が使われた。
- 現在では、海空共同救助作業における信号の役割を果たすなど、凧の利用法は多岐に渡っている。
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- 日本
- 凧は、平安時代に中国から伝播したとされる。
- 当初は、紙鳶(しえん)、紙老鴟(しろうし)と呼ばれ、凧揚げは技芸の一種だった。
- 「凧」と呼ばれるようになるのは江戸時代からで、その字は中国にもない日本のオリジナル(国字)。
- 凧の呼び名が普及する前は、関西などでは「いか」とも呼ばれていた。
- 鎌倉時代には、軍事用に利用されることが多かったが、印刷技術が発達して量産が可能になった江戸時代には庶民にも広まった。
- この時代の凧は、節供や盆の行事などに、大人たちがあげるものだった。
- 正月の風物詩として親しまれる、子供による凧揚げは、幕末から明治初期にかけて行われるようになった。
- 日本の凧(和凧)には、四角い角凧、風袋をつけた凧、様々な形をした変わり凧などがあるが、長い尾をつけて安定させる形式が一般的。
- 和凧には、武者絵などの色彩豊かで遠目にもよく見える図柄が描かれることが多く、寿や竜などの文字が一文字描かれた凧もある。
- これらの凧は、単なる遊びではなく、子供の成長や将来の多幸、豊作祈願などの願いを込めた縁起物としてあげられた。
- 長崎県長崎市のハタあげ、静岡県浜松市や新潟県新潟市@白根地区(しろねちく)の大凧揚げなどは、現在でも年中行事として行われている。
- ゲイラカイト
- 1975(昭和50)年、アメリカのゲイラ社のビニル製三角凧「ゲイラカイト」が輸入されると、少しの風で揚がる簡単さが子供たちの人気を獲得。
- 現在では、子供たちのあげる凧はほとんどゲイラカイト方式のものになっている。
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■みんなの広場で(国営昭和記念公園)(東京都立川市)
2011/4/13 |
2011.06.05 |
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