- 説話
- 須佐雄神(すさのおのかみ)が一夜の宿を借りようとして、裕福な弟の巨旦(こたん)将来に断られ、貧しい兄の蘇民将来には迎えられて粟飯(あわめし)などを御馳走になった。
- そこでそのお礼にと、「蘇民将来之子孫」といって茅の輪を腰に着けていれば厄病を免れることができると告げた。
- まもなくみんな死んでしまったが、その教えの通りにした蘇民将来の娘は命を助かったという。
- この神は祇園牛頭天王(ぎおんごずてんのう)とも習合して、八角柱の木片に「蘇民将来之子孫也(なり)」などと書いた護符の類を蘇民将来といっている。
- 伊勢地方(三重県)などでは家の門口に「蘇民将来之子孫」などと書いた注連(しめ)をかけて災厄除けとしている例が多いという。
- 岩手県奥州市の黒石寺(こくせきじ)で旧正月7日に人々が裸で蘇民袋を奪い合う蘇民祭(さい)は近年有名になった。
- 2008(平成20)年、奥州市が作成したポスターについて、JR東日本が祭りでの上半身裸で胸毛の濃い男性が大きく写っているデザインを「女性客が不快感を覚え、セクシャルハラスメントに該当するおそれがある」として駅構内での掲示を拒否したことが報道された。
- 連日情報番組などで取り上げられ、レポーターが祭りに参加するなど、全国に知られることになる。
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